前回の続き。

覚悟なき者が漫然と資格勉強を始めて失敗を繰り返すストーリー第2弾。

今回は中小企業診断士。

中小企業診断士の動機は、海外駐在時代に、企業経営について学びたいと思い、Harvard Business Reviewを定期購読したり、ドラッカーに、ポーター、コトラー、そして、ミンツバーグにレビットなど経営理論書を読み漁っていたことがきっかけ。

財務会計や管理会計についても、米国公認会計士でひととおり理解しているし、それなりにいけるんじゃないかと思って、4年前に学習を始めました。

要するに、自分の力試し。

なので、米国公認会計士みたくスクールに通うこともなく、受験7科目の問題集を購入して独学。

こちらは2年で1次試験の7科目に合格。

米国公認会計士と同じく科目合格制を採用しており,3年で7科目合格が1次試験の合格要件です。

1年目:企業経営理論,経済学・経済政策,財務・会計,中小企業経営・中小企業政策
2年目:運営管理,経営法務,経営情報システム

1年目は正直言って得意科目というか、基本理論について専門書で読み、理解していたので、暗記科目の中小企業経営・中小企業政策以外は高得点で合格しました。

問題は2年目の3科目。

苦手な法律系や技術系知識を要する科目ばかりだったので、「よくわかる○○」といった類の入門書を読みながら、知識を補完し、頻出問題を潰していくという牛歩戦術だったので、結局、2年間を要しました。

こちらは合格最低基準に達するように、とにかく得点できる問題で底上げをするという戦略で、無事に3科目合格。

これにて1次試験を無事にクリアーして、2次試験に挑もうと思った矢先に、某地元企業から海外展開に当たっての相談を受けました。

その企業が保有している商品や技術は面白く、まだ中小企業という規模ではありましたが、順調に成長すれば、鹿児島の製造業としては中堅企業になれるようなポテンシャルを感じました。

ただ、その企業が更なる成長のフロンティアとして見出したのが海外市場。

ところが、中小企業の海外市場開拓の典型的失敗パターンにはまっているというか、「知り合いの外国人」を通じて、海外事業を始めてしまって、問題が複雑化していました。

「知り合いの外国人」が、進出しようとする分野のプロであり、現地のマーケティングに通じていれば構いませんよ。

しかし、えてして、「日本の大学に留学でやってきた(卒業した)」、「展示会で名刺交換した」「行きつけの店で知り合った」という程度のきっかけで知り合った外国人に全権委任してしまう傾向にあります。

相手が日本人だったら、そんなことしますか?

私だったら、相手の会社や本人の信用調査を行った上で、事業の海外展開に必要な資力や取引先、ノウハウなどを踏まえた上で、判断します。

「海外のことはわからないから」という経営者の方もいますが、そんな未知の世界に向かうからこそ、入念な準備が必要なのではないでしょうか。

イチかバチかを試せるほど経営が安定しているのであれば博打をやってみても良いのでしょうが。

リスクは容易に想像されるし、私としても、これまでの経験や知識の範囲内で十分な助言はしたし、更には、専門家の協力も得たのですが、結局は社長の説得に失敗しました。

ここからが、私の中小企業診断士という資格に対する疑念が生まれました。(続きはまた)