何事もそうであると思いますが、成長には「良い成功」と「良い失敗」が必要不可欠です。

ところがえてして、「悪い成功」と「悪い失敗」が、成長しようとする人の足を引っ張る。

ここで問題は、悪い成功とはなんなのか、悪い失敗とはどういうことなのか、そこを正しく理解できているかだと思うのです。

ジャズセッションにおける悪い成功の事例
「今日は共演者に恵まれていい演奏ができた!」
「今日は調子が良かった!」

え?!それが悪いの?良い成功じゃないの?と思う人も多いでしょう。でも実は、初級者のうちは特に、そう考えるのは早計なのです。
腕達者な共演者が持ち上げてくれたから、気分良く演奏できたというのは、その演奏に対する自分の貢献度、寄与分がわかりにくくなってる場合がほとんどだと考えていいでしょう。
また調子が良いと感じる時というのは、往々にして、「大きな声」で「喋りすぎて」しまうものです。
録音したものを後で聴き直してみたら、演奏時は凄く良いと思っていたのに、冷静に聴いたら最悪だったということはよくあることです。
そうやって後で反省するならまだしも、実際は良くないアウトプットを、良いアウトプットと思い込んでいるとしたら、それは悪い成功でしょう。

では「悪い失敗」とはなんでしょう。
これは失敗そのものより、失敗の捉え方でしょうね。失敗を悪い経験にするタイプの人というのは、反省するのが好きな人と言えるかもしれません。すごい人は演奏しながら反省している。´д` ;
こういうタイプの人は、悪しき体験ばかりを蓄積していくので、同じところで同じミスをしたり、苦手なことを克服するのが遅かったりと、反省するふりをして必要以上に落ち込んで、失敗に囚われてしまうことになります。

翻って「良い失敗」とはなんでしょう。
それは「良い成功のあと一歩手前の失敗」、また「勇気を出してダメ元でやってみた失敗」、「どこがダメなのか自覚できている失敗」ではないでしょうか?
そういう失敗ができたら、逆にラッキーですよね(笑)。

以上3つの成功と失敗を乗り越えた先に、良い成功が待っているのではないでしょうかね。

セッションに参加して、漠然と「今日もいい汗かいて楽しかった」も、もちろんダメじゃないんですけど、いい汗かくだけだったらサウナもありますよ(笑)とつい皮肉を言いたくなるくらい、せっかく参加しても同じところをグルグル回っている人も、やっぱりいらっしゃる。
でもそんな人だって、内心では「好きでグルグル回ってるわけじゃない。本当は抜け出して、もっと上のステージに上がりたいんだ!」と考えていらっしゃると思うんですよね。

この一文が、そういう人の気づきのきっかけとなれば幸いです。

【付記】
「同じところをグルグル」というくだりが、人によってはカチンとくるかもしれません。気分を害されたら、申し訳ありません。
ただ、僕自身も演奏者として、当然同じところをグルグルしている1人です(笑)。30年以上やってきて、上達するほど、何をすればいいのか途方に暮れます。´д` ;
というわけで、決して高みに立って自惚れているわけではありませんので、どうぞお赦しください。