前回の記事「テーマの練習について提案」の続きとも言える内容になります。

というか、昨夜(R2.11/29)の酔ingさんのサンデーセッションにおいて、こういうことがあったのです。

ある方が「I’ll close my eyes」を演奏しました。
そのテーマ演奏の仕方が、この辺では標準的なクオリティだったので、ちょうどいいなと思って、その演奏のどこが惜しい部分だったのかを具体的に解説しました。
その上で、前テーマだったらこう、後テーマだったらこう、と僕のサックスでわかりやすく実演してみました。

参加者のみなさんは、興味深く聞いてくださって、僕の言いたかったことはある程度伝わったのではないかと思います。

そして休憩時間となり、さっきの話ですが、、、という感じで「2ビートで始まったテーマのサビから4ビートにしたい時に、メロディをフェイクすればいいんですか?」と質問されました。

まあ、そういうことですね。
と、とりあえずは答えました。(笑)。

しかしメロディのフェイクに関して、注意点が実はあります。でもあの場では、これ以上言うとオーバーフローしちゃうといけないと思って言いませんでした。´д` ;ので、ここで補足しておきます。

いわゆる歌ものと呼ばれるスタンダードのテーマは、そのまま演奏するとなんとなくダサいような気がして、つい何気なしにフェイクしてしまいたくなる。

よくアマチュアのセッションで、見かける光景だと思います。もっと酷いのはうろ覚えのメロディを間違うことを、フェイクだと言い逃れる場合ですね(笑)。

でもこれは、実は危険な行為でもあるのです。
それを説明するために、こういう例えを思いつきました。

メロディフェイクとは、元々あったメロディをさらにジャズ的に訛らせる行為と言えます。
それを実感するために、いわゆる標準語を自分の地元の方言に翻訳することを思い浮かべるのです。
同じ九州であっても、ここ熊本に引っ越して来た博多人にとっても至難の業でしょう。´д` ;
いわんや東京人には絶望的でしょうね。
何年か熊本で暮らして、どっぷり熊本弁に浸かって、ようやく自然にできることではないかと思います。

しかし年数ばかりではないわけで、よくアマチュアでも「10年以上やってる」って人が、全然イケてないフェイクをやらかしてるわけです。
つまり「どっぷり」の方が重要なのですね。

ということで、先ほどの質問に戻ると、ただなんとなくフェイクするのではなく、「2ビートから4ビートに変化させるという目的のための手段として、フェイクという1つのやり方がある」ということを、彼は学んだと思います。

ただ、注意点として以下の3つを挙げておきたいと思います。

1. フェイクはスイングの感覚がない人が無理くりやっても感じが出ない(でもやらないと身につかない、またその一方でスイングの感覚さえあれば、ストレートに演奏してもスイングできる)。

2. フェイク以外にも情報伝達手段はある。例えば音量。

3. カッコよくフェイクするためには、スイング感を体得しなければならず、そのためには「どっぷり」ジャズに浸からなければならない。

とまあ、そういうわけです。
ギターの彼が次回のセッションに参加してくれたら、この内容をお話しようと思います(笑)。