キジバトの骨折 | 大橋動物病院(幸手市)のブログ

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動物取扱業登録 第71-0132号

 休診日の午前中、猫に襲われた鳩を診てほしいとお電話があり、「野生動物に手を出すべきではない」とお話したのですが、どうしてもとのことで病院を開けました。

 巣立ったばかりのキジバトの幼鳥です。
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診察で羽の骨の複雑骨折(骨が複雑に折れているからではなく皮膚を突き破って骨が飛び出す開放骨折のことです)で大量に出血しています。「人からはえさを食べないし、もし骨が付いても普通には飛べない」とお話したのですが、どうしてもと・・・
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ガス麻酔で傷口を洗浄し太い注射針を髄内ピンにして骨を整復。
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筋肉と皮膚を縫合。
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注射針の口が肩から出ています。羽を広げないように閉じた状態で包帯します。
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麻酔も醒めましたが人に捕まる時点でかなり状態は悪いと思います。

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かなりのストレスだったのでしょう。結局夜には亡くなってしまいました。努力も水の泡でむなしいです。
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法律でも野鳥は飼ってはいけないことになっています。残酷なようですが自然のルールに人間が介入すべきではありません。鳥インフルエンザの危険もないとはいえません。

ヤマネコが捕まえた鳥を取りあげればヤマネコが餓死してしまいます。鳥だから可愛そうと言うのは人間の勝手な主観で、猫が傷つけてもヘビやトカゲを何とか助けようと思う人はほとんどいないはずです。
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