聖なる夜に セロの懺悔 その8 | スカイリム アサシンの日常

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セロはアリアに真実を話し始めた。

 

 

「俺は、あなたの祖父と叔父の仇かもしれない。」

 

 

と、セロは言った。

 

 

一瞬、アリアの瞳に暗い影がよぎった。

 

 

予想はしていたのかもしれないが、ショックを受けているようだ。

 

 

それからセロは、自分はずっと傭兵をやってきたこと、その中で多くの人を殺してきたことを話した。

 

 

そしてあの砦の夜襲、父の仇を取ろうとした少年のことも・・・。

 

 

金の首飾りは、少年が持っていた物だということを伝えた。

 

 

セロは、首飾りを盗むつもりは無かった。

 

 

ただ少年を殺してしまった事に、酷く動揺していた。

 

 

少年が亡くなった場所は森の中だったため、このままでは発見されない可能性があった。

 

 

このまま朽ち果てるより、せめてきちんと埋葬してもらえるよう、発見されやす場所に移したのだ。

 

 

その時に少年のポケットから、首飾りが落ちた。

 

 

それを拾ったセロは、誰に渡すことも出来ず、今まで持っていたのだ。

 

 

そして少年は、最後の言葉、

 

 

「父さん・・・・、ごめん・・・。」

 

 

と言い残し、この世を去ったことを伝えた。

 

 

きっと父親の仇を取れず無念だったのだろうと、セロはアリアに言った。

 

 

しばらく無言で聞いていたアリアは、

 

 

「それは、少し違うかもしれません。」

 

 

と言った。

 

 

アリアは、祖母から聞いたことを話した。

 

 

アリアの叔父、つまりその少年の名はクリストというらしい。

 

 

クリストは父親から、隠密と弓を教わっていた。

 

 

隠密は敵から隠れるため、弓は自分の身を守るためだ。

 

 

父親は兵士だったから、危険な職業だ。

 

 

いつ命の危険にさらされるか解らない。

 

 

その危うさが解っていたため、息子には危険を避け、長生きしてもらいたいと思っていたようだ。

 

 

だからこそ砦に近づくなと、いつも息子に言い聞かせていた。

 

 

それでも、15歳ぐらいの子供が親のいう事を聞かないのは、よくあることだ。

 

 

あの日も、母親のソーヤが知らない間に出掛けてしまったらしい。

 

 

そして、帰らぬ人となった・・・・。

 

 

「クリストが言いたかったのは、父の言いつけを守らず、ごめんなさい。

 

 

無理に敵討ちなんてしようとして、ごめんなさい。

 

 

そういう謝罪の意味だったんではないでしょうか。」

 

 

と、アリアはセロに言った。

 

 

「祖父は兵士の仕事を全うしたんです。

 

 

敵討ちなんて望んでなかったと思います。」

 

 

と、アリアは付け加えた。

 

 

その言葉を聞き、セロは少しだけ肩の荷が下りた気がした。

 

 

少年のクリストを殺し、自分がまだ生きていることへの、後ろめたさがあったのかもしれない。

 

 

 

 

しかし、だからといって、自分がやったことが消えるわけではない。

 

 

「父親は解らないが、クリストを手にかけたのは自分だ。

 

 

あなたの気が済むようにしてくれていい。」

 

 

と、セロは言った。

 

 

 

つづく