久しぶりに吉野家に行った。気のせいか豚丼が旨くなっていた。牛丼がメニューから外れて久しいがよく頑張っていると思う。吉野家はBSE問題の他に、ファーストフード業界のデフレ地獄の中でも戦っている。このような状況下で当たり前に財務面が厳しいだろうが、最近はコスト削減が功を奏しているようだ。旨い牛丼の復活を目指して頑張って欲しい。
この業界の値下げ合戦を考察してみると、経営学の「ゲーム理論」が当てはまることに気づいた。ファーストフードのリーダー格であるマクドナルドが値下げしたことでゲームは始まった。牛丼業界の王者である吉野家と、その王者を追随する松屋。仮に両社とも値段を据え置けば共に100億の利得。両社とも値下げをすれば60億の利得。どちらかだけが値下げをした場合、値下げをした方が150億の利得、据え置いた方が30億の利得。この状況下で、吉野家と松屋はそれぞれどのような選択をしていくだろうか。
図表に表してみると分かりやすい。吉野家側として考察してみると、松屋が値下げをした場合、据え置けば30億の利得、値下げをすれば60億の利得。松屋が据え置いた場合、据え置けば100億の利得、値下げすれば150億の利得。松屋が据え置き・値下げのどちらを選択をしたとしても、吉野家は値下げをした方が有利である。これが吉野家が選択すべきであるゲームの「支配戦略」となる。
しかし、吉野家の支配戦略=松屋の支配戦略でもある。松屋もまた同じように値下げをした方が有利なので「値下げ」の選択をしてくるだろう。そうすると、両社とも値下げした場合の利得の60億に自然と導かれてしまうのである。両社とも据え置いていれば利得は100億であったはずだ。なのに結果としては60億の利益。これには「相手も値下げしてくるかもしれない、どちらにしろこっちから値下げした方が得なんだ」という心理的な要因が作用している。専門用語で「囚人のジレンマ」とも言う。現在の牛丼業界はまさにこの状態なのではないだろうか。
この「ゲーム理論」はあらゆる状況下において駆け引きの有効的なメソッドとなる。個人がスポーツ、恋愛、買い物、育児、様々なジャンルで応用することが可能である。ゲーム理論の詳細については複雑であり広範囲なものである為、さらに学んでいく必要があるだろう。
