多分このブログの読者層であれば、節約のために「ふるさと納税」を利用されている人は多いのではないでしょうか?
でもそもそも、ふるさと納税って何だろう?
私がふるさと納税を利用していなかった理由も含めて、書いてみました。
なお本記事は、○○を買いました系の内容ではありません。
ふるさと納税の理念
皆さんそもそも、ふるさと納税がどうして生まれたのかご存じでしょうか?
そんなことを気にする人は少ないと思うのですが、総務省さんのHPで理念が説明されています。
私の方で内容を少し削りながらまとめますと、
- 納税者が寄付先を選択する(使われ方を考えるきっかけとなる)制度
税に対する意識が高まり、納税の大切さを自分ごととしてとらえる貴重な機会になる
- 生まれ故郷はもちろん、お世話になった地域や、応援したい地域へも力になれる制度
それは、人を育て、自然を守る、地方の環境を育む支援になる
- 自治体が取組をアピールすることで納税を呼びかけ、自治体間の競争が進む
選んでもらうに相応しい、地域のあり方をあらためて考えるきっかけへとつながる
- 納税者と自治体が、お互いの成長を高める新しい関係を築く
自治体は納税者の志に応えられる施策の向上を、納税者は地方行政への関心と参加意識を高める
こんな感じで、自治体間の税収の不公平を埋めようと始まった制度ですが・・・
今ではすっかり返礼品競争に陥ってしまいましたね
まぁ③を曲解すれば、返礼品競争をしましょうと読み取れなくもなさそうにも思えますが??
良識に任せてみた結果
ここで資料の紹介です。
総務省さんのHPに、ふるさと納税研究会さんの報告書が公開されています。
ふるさと納税が始まる前の、2007年10月の資料ですね。
この報告書の「地方団体における自主的な努力」には、次のように書かれています。
寄付を集めるため、地方団体が寄付者に対して特産品などの贈与を約束したり(中略)など、「ふるさと納税」制度を濫用する恐れへの懸念もある(中略)
このような事態は、基本的には各地方団体の良識によって自制されるべき
ということで、返礼品は制度の趣旨を考えるとふさわしくないと、はっきり書かれています。
懸念があるからといって、直ちに法令上の規制の設定が必要ということにはならないと考えられる
だそうで、とりあえずは良識まかせとなりました。
まぁ公務員さんが制度を悪用するわけないですものね!
本来は、
地方団体が納税義務者から寄付を受けるためには(中略)、地域における望ましい政治・行政に向けたたゆまぬ経営改善努力が求められることは言うまでもない
という事で、政治・行政サービスの改善に真面目に取り組んだ結果、寄付先として選ばれる団体になるよう努力しましょう、と書かれています。
まぁ結果は・・・(笑)
【関係ないですが、梅の木の写真】
避けていた理由
ところで、上に書いたふるさと納税の理念は、先ほど調べて知った内容になります。
そんな私は、今まで以下のように考えていました。
ミクロな視点では、ふるさと納税を行って返礼品を頂いた方がオトクです。
でもマクロな視点では、自分の自治体の税収が減っちゃうので、住民サービスが悪くなります。
※ ほとんどの自治体は、流出分のうち75%が地方交付税により国から補填されますが・・・
ですがそもそもを考えると、ふるさと納税の設計者さんは、返礼品なんて想定していなかったのではないか?と予想しました。
返礼品が登場してから、換金性の高い商品の禁止だとか、30%以内に抑えろだとか、ルールの追加が後手に回っています。
なので、国民全員がふるさと納税を行うという事も、想定されていないように感じていました。
実際、まだ普及率はせいぜい3分の1程度なのですが、既に税収減で困っている自治体さんが生まれています。
私、元々の理念を考えると、現状の運用があまりにも違いすぎていて、制度設計がアホだと勝手に思っています。
それが悲しくて、今までふるさと納税は避けていました。
でもやはり、ミクロな視点ではやった方がお得なんですよね。
悲しいところですが、私もお財布が寂しいので、今年から始めてみる事にしました。
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ふるさと納税の流れ
私が説明しなくても、総務省さんのHPに書かれています。
ですが私の方でも一応簡単に説明すると、以下の3ステップです。
- 応援する自治体に、ふるさと納税する
- 寄附を証明する書類(受領書)を受け取る
- 受領書を添えて、確定申告する
正確には以下のHPを見て頂ければと思いますが、この手順で、ふるさと納税額-2000円が税金から控除されます。
私の方でも一応簡単に説明すると、
- ふるさと納税を行った年の所得税から控除
(ふるさと納税額-2000円)× 所得税率
※ 所得税率は所得によって変わります。20%の人が多いかな?
- ふるさと納税を行った翌年度の住民税から控除
(ふるさと納税額-2000円)× (100%-所得税率)
※ 所得税率が20%の人なら、(ふるさと納税額-2000円)× 80%
こんな感じです。
これだけだと2000円分は損なのですが、実際は返礼品を頂くことが可能ですので、ふるさと納税を行った方がオトクだと思います
所得税について
ちなみにの話なのですが、上で、住民税からだけではなく所得税からも控除と書きました。
でも住民税は地方税で、所得税は国税です。
ふるさと納税は地方自治体間の税移転の話なので、なぜ国税が出てくるんだろうって気になりませんか?
・・・普通なりませんよね(笑)
実はこれに関しても、先ほどの報告書に記載があります。
「ふるさと納税」は、地方団体のみならず国にとっても大きな意義を有しており、本来であれば、この意義は地方団体のみならず国も自らの国土政策を通じて達成すべきものであることから、「ふるさと納税」制度を構築するに当たっては、国も相当程度の役割を担うことが望ましい
2.わかりやすく、使いやすい仕組みを目指して(3)国が果たすべき役割、より
つまり自治体に任せきりではなく、国も努力が必要だよねという理由で、国にも負担を求めるべきというように書かれています。
こういった訳で、住民税だけではなく所得税からも控除が行われるようになったようです。
ワンストップ特例制度について
最後にこの話を。
上で「ふるさと納税の流れ」を書きましたが、忘れてはいけないのがワンストップ特例制度です。
本ブログの読者層であれば、割と恩恵を受けられる人が多いのではないか?と思います。
本制度が適用される条件は、以下の2つです。
- 確定申告の不要な給与所得者等である
- ふるさと納税を行う自治体の数が5団体以内である
このとき、本制度を適用すると、確定申告に代わって「ふるさと納税ワンストップ特例の申請書の提出」でOKになります。
まぁそれだけでも嬉しいのですが、もっと重要なメリットがあります。
それは、「所得税からの控除が行われず、その分も住民税から控除」されます!
これの何が素晴らしいって、例えば住宅ローン控除を適用されている人の場合で考えてみましょう。
この場合、所得税が0円、もしくはかなり小さいといったことが、十分に想定されます。
そこで仮に、ふるさと納税を普通に行ったとしたら、これ以上所得税から控除を行うことが出来ません。
単純に損です
しかしながら、ワンストップ特例制度を適用すると、所得税分も含めて住民税から控除してくれます。
損を回避することができました!
ということで、ワンストップ特例が使える&所得税が少ない人は、積極的に活用されることをおススメしたいと思います。
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終わり。
マニアックな内容でしたが、最後までお読みいただき、ありがとうございました!
こちらは、こんなものを買ってみましたよ、という話です。