ジャズセミナーに新しく入ってこられた生徒さん、今回は2回め。
前回3和音コードのお話をしたので、今日はダイアトニック・コードでスケールとの関係において3和音のまとめ。前回の内容をよく理解されていたので、3和音コードはどんどん自分で作れるようになった。
書き譜の曲、イパネマをデータに合わせて弾いてもらう。
右だけで、まず足をカウントしてリズムの頭拍、裏拍を把握しながら弾いていくこと、長い音符はノンレガートで弾くこと、タイはアクセントをつけて、、などクラシックの奏法との違いを説明してポイントをまとめる。再度弾いてもらうと、大きなノリが見えてきたようだ。
 

イパネマのコードを使って、3和音の復習。とんとんと押さえられるようなので、4和音の7thの説明をして、次回実際にコードを作ってみることに。
コードも4和音まで進めば、あとは変則的なものの作り方の法則だけ解説すればコードはおおかた終わり。あとはひたすら鍵盤で手型と耳で慣れて使っていく作業に移る。
4和音までくれば、次はスケールの確認。テンションの説明はスケールが頭に(指に)入っていれば簡単!クラシック経験のある生徒さんなのでスケールは大丈夫そうだから、テンションもすぐに理解できるだろう。
テンションの説明が済めば、テキストに入ってアドリブの作り方へと。


ジャズセミナーの生徒さん、お一人はご自分の発表会と歌曲の伴奏のお仕事前ということで練習ができないことを事前に聞いていたので、時間を弱点補強にあて、もう一度コードの見直しをやることに。
メジャー7th、マイナー7th、ドミナント7thを半音ずつコードネームを言いながら左右とも上げていく。半音上下すつというはジャズの演奏にはたくさんでてくる。手で慣れるということと同時に、コードネームからサウンドと手型がすぐに思い浮かべられるようになるといいけれど、黒鍵の多く含むコードによってはサウンドと手型がイメージし難いものがある。多くの生徒さんがそうだけれど、B-flatとかBはおなじ長3和音でも黒鍵が一番下のみ、或は、上2つと他の和音の黒鍵のポジションと大きく異なるので押さえ難いものだ。意識して覚えなければなかなか手に入ってこないコード。
 

さらにRoot-7thの位置とサウンドを意識すること、或はRoot-3rdのサウンドと手型の意識が重要。
メジャー7thから7thを半音下げれば、ドミナント7thに、さらに3rdを半音下げればマイナー7thへ、さらに5thを半音下げればマイナー7thのフラット5でマイナー系のII度のコードに、さらに7thをさげればお化けコードのディミニッシュに、とコードの3rd、5th、7thの音がなんであるかを意識してコードのサウンドを頭と手と耳を連動させていくことをお話した。
それからフラッシュカードでコードをどんどん押さえていくトレーニングを。。
「私もそのカードほし~い!」と。フィル(”JAZZ Keyboard Harmony” by Phil DeGreg)のテキストには一覧表があるのでそれをコピーしてカレンダーを切ってカードにして貼っただけの教材。なかなか楽しー!

もう一人の生徒さんにはこのコード確認とフラッシュ・カードの後、さらにII-V7-IM7の左のRoot-7th、Root-3rdで押さえるvoicingのトレーニングへ。2種類後、右に2音のせて全調押さえるトレーニングを宿題に。
曲のほうはブルースのアドリブ作りに入っていく段階なので、マイナー・ペンタでアドリブした書き譜とフレーズを弾いてくるのと、テキストの参考アドリブのコピー譜を弾いてどんな音がまたどんなスケールが使われているかを分析していくための予習を宿題に。。

ジャズってアドリブを作ることも大切だけれど、コードにも慣れていろいろなvoicingが実践的に即座に押さえられるトレーニングもとても大切で、宿題にしてもなかなか時間がないのか、レッスンであえてそういう時間を作ってゲーム感覚でリフレッシュしてトレーニングしていくことも重要のように思った。生徒さんも自分の不得意なコードが何か分かり、またコードをさらにいろいろな積み立てにするためのvoicingの構成が把握でき、全調で応用できるように頭の中での操作の脳トレができるようになってほしいものだ。
ジャズは分析即模倣と全調応用。さらに分析の前にサウンドを聞き分ける耳が重要だ。そして分析には理論。いろいろな重要な要素が深く関連して発展していくと、つくづく感じる。
クラシックでもそうなんだけれど、ジャズの場合にはイントロ、エンディングにはじまりアドリブなど”創作”ということが大きな部分を占めるので、その必要性がさらに高まるからだろう。
反対に考えれば、クラシックで楽譜だけを追って何も考えずに弾くというのはなんと音楽の片寄った面しか触れていなくて、大切な面に触れずに無駄に過ぎ去っていってしまっていることか、、と残念に思う。
 

 

 

2008.07.11)