第2話 本当に欲しかったもの
こんにちは。
アキラです。
前回、ガレじいから課題を出されました。
秘密基地で絶対に譲れないものを3つ選べ。
全部欲しいは禁止。
という課題です。
正直、悩みました。
サウナも欲しい。
プールも欲しい。
カラオケも欲しい。
ビリヤードも欲しい。
でも最後に残ったのは3つでした。
- 100坪の土地
- 50坪の倉庫
- 苦情が来ない場所
その答えを見たガレじいはニヤッと笑いました。
「おお、アキラ。」
「これは面白いで。」
「ワシな、お前の答え見てニヤけてもた。」
何がおもろいねん。
そう思った瞬間、ガレじいが言いました。
「普通の人はな。」
「サウナとかプールとか選ぶんや。」
「だって楽しいからな。」
「でもお前は違う。」
「選んだんは遊び道具やなくて土台や。」
確かにそうです。
サウナは後から作れる。
プールも後から作れる。
カラオケも買える。
でも土地と倉庫は簡単には手に入りません。
するとガレじいが続けました。
「つまりな。」
「お前、自分で思ってるより現実的な人間なんや。」
その言葉は少し意外でした。
自分では夢ばかり追いかける人間だと思っていたからです。
【今日の偉人】
渋沢栄一。
日本資本主義の父と呼ばれる人物です。
渋沢は事業を始める時、計画より先に場所と人を見たと言われています。
なぜか。
場所を間違えたら、どんな商売も成功しないからです。
土台を大事にしたんです。
するとガレじいが急に真面目な顔になりました。
「でもな。」
「ワシ、もっと気になる事がある。」
「お前、何回も同じ言葉言うとる。」
『苦情が来ない場所』
私は黙りました。
確かに言っています。
秘密基地の話でも。
BBQの話でも。
宿の話でも。
いつも出てきます。
「ワシにはな。」
「こう聞こえるんや。」
『アキラは誰にも気を使わん場所が欲しい。』
・・・。
仕事。
家族。
親。
お客さん。
離婚。
借金。
振り返ると、ずっと誰かに気を使って生きてきた気がします。
するとガレじいが静かに言いました。
「アキラ。」
「お前が欲しいんは倉庫ちゃう。」
「土地ちゃう。」
「自由や。」
その瞬間、少しだけ胸が苦しくなりました。
でも同時に、妙に納得しました。
秘密基地が欲しい理由。
それは建物ではなく、自由だったのかもしれません。
【ガレじいの今日の課題】
ノートに1行だけ書く。
「もし苦情も責任も無かったら、ワシは何をして生きたい?」
お金の話は禁止。
借金の話も禁止。
現実も禁止。
子供の頃みたいに考えること。
夢ってな。
何を欲しいかやない。
何から自由になりたいかで見えてくる事もあるんや。
そう言い残して、ガレじいはまたどこかへ消えていきました。