ブログネタ：好きな季節は？ 参加中本文はここから
長年田舎住まいをしております。
寒暖の差の厳しい盆地です。
この盆地では
冬が終わり春が始まる時、
季節の移ろいは植物の生長のように
早くはないが着実な変化として感じられます。
盆地の夏は過酷です。
湿度も気温も高く、
気持ちが萎える暑さが続きます。
その為、
夏は秋を待つ長い期間とさえ感じられます。
夏の盛りから終わりにかけて
秋は
光の色、影の色などの
画然とした変化として現れます。
あらわれては消える
明らかで移ろいやすい予兆として現れるのです。
本当に秋になった、
そう感じた時には、冬の兆しの寒さを
どこかで予感しています。
当地において秋は
「はじまりだから。はじまりだけだから」
ブルトンの小説の科白ような季節なのです。
その捉え難さは、
ブラッドベリの『集会』のイメージにも
重なります。
『集会』に描かれた、
人ならぬ者たちが集う万聖節の宵祭
その後先の時間、
その時間に漂う
透けるような儚さです。
始まりだけで消えてしまう時間は物寂しく
続かないことが予感される時間は心悲しい。
当地において秋はそんな季節です。
そんな季節だからでしょうか、
ボジョレー・ヌーボーの賑わいや
ハロウィンの華やぎが
ことのほか鮮やかに感じられます。
この土地の秋が好きです。
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