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夏の味といえば鱧。
梅雨明けから味が良くなるといわれる
夏が旬の魚です。
淡泊で上品な味の印象に反して
獰猛な魚であるといわれます。
生命力も強く、
行商によって明石港、淡路島などから
京都に運ばれても
鱧は生きていたといわれます。
京都の夏に鱧が欠かせないのもそのため、
なのだそう。
そんなこともあり、
夏の魚といえば鱧、
そんなイメージがあります。
けれども
わたしが「夏の味」に鱧を推したい理由は
それだけではないのです。
二年前の夏まで
わたしの家には猫がおりました。
おりました、
と申しましても
外猫なのですが。
彼女はお造りが好きな猫でした。
小さな子猫のころ、彼女は
サーモントロハラスや鰤など
脂の乗った魚が好きでした。
長ずるにつれ
彼女の好みは淡泊になり、
2歳を過ぎたころには
鯛、平目などを好むようになりました。
お寿司やお造りの盛り合わせから
彼女の分を切り分け
小皿に盛って供すると
彼女は
どれから最初にたべようか
次にどれを食べようか
そんな風に迷う様子を見せながら
嬉しそうに食しておりました。
あるとき、
彼女のお皿の盛り合わせの中に
鱧が入っておりました。
彼女は一口食べ、
大層、
驚いた様子をいたしました。
それから鱧に口を近づけ
また、
おいしそうに食べ始めました。
この時
彼女の好物のリストに
鱧が加わりました。
その年の冬
彼女は交通事故で他界いたしました。
けれども
夏が来るたび
彼女がおいしそうに鱧を食べていたことを
思い出すのです。
そんなこともあり、
わたしはもう、一人では
お寿司やお造りをいただこうという気に
ならなくなりました。
けれども
夏の味といえば鱧。

彼女が気に入っていた旬の味を
推したいと思うのです。
このブログネタに参加するに当たり
きょうとwell.com さん
wikipedia さん
の、鱧についてのページを
参考にさせていただきました。
期してお礼申し上げます。