2011.11.03 11:35pm 頃見た夢
黒猫(♀)が出て行ってしまって、気持ちが不安定になった。
毎日、
家のことを片づけたり、
銀行へ行ったり、
通販の雑誌を見たりするのだが、
何をしても中途半端でうまくいかない。
気分は落ち着かなくなった。
猫戯ラシ(こと家人2)が
気持を引き立ててくれるかのように、
しゃれた小物などを見せてくれるのだが、
日々不安が募るばかりだった。
毎日、ぼんやりとした薄曇りの天気が続いた。
ある日、自分は、
庭に面した窓のある納戸にいた。
窓際に置かれた黄の机に向かい、
黒猫(♀)が家にいたころの行いを記録に残そうとして
帳面に書きつけていた。
猫寄セ(こと家人1)が帰ってきたようだった。
猫寄セは庭を歩きながら自分に声を掛けた。
猫寄セが腕に何か、黒いものを抱き抱えているのが
模様の入った古い擦り硝子の窓越しに見えた。
まさか黒猫(♀)がけがをしたのでは。
いやまさか既に死んで。
そう思った時猫寄セが窓を開け、
腕に抱いていたものを差し出した。
黒猫(♀)だった。
彼女は怪我ひとつなく、落ち着いていた。
彼女はほっそりとした艶やかな手を少しばかり伸ばし、
自分の左腕に触れた。
彼女はとても軽く、柔らかく、仄かに温かかった。
これは夢だ
そう思った時、目が覚めた。
寝汗をかいていた。
寝なおして目が覚めると頭が痛かった。
二日酔いなのだった。
付記:
黒猫(♀)は
人に、抱かれることはおろか
撫でられることさえ無かった。
彼女は、
伴侶であった虎猫以外が彼女に触れることを、好まなかった。
落ち着いて抱かれている様子、
静かに手を伸べて優しく腕に触れる仕草は
雉のものだった。
腕に抱いた時の軽やかな温かさ、柔らかさも、また。
今頃の季節には、
雉は、
庭に日が射す僅かな時間、
この場所に坐って朝日を浴びることを
好んでいたように思う。