無責任 (夢一夜・参拾弐) | feelsayo 2 

feelsayo 2 

猫を眺め 猫を被る日々。  
内心 ・・・ です。

2011.10.23 09:30pm頃に見た夢


自分は校庭の隅に立っていた。

土には白く粗い砂が多く混じっていた。

空は曇り、地面は湿っていた。


緑深い松が丈高く伸びていた。

幹の下の方まで茂った枝の

夥しい松葉が

その場所を死角にしていた。


松の側に穴が穿たれていた。


黒猫(♀)は、穴に落ちていた。


彼女は蹲っていた。

彼女は黙ってこちらを見上げていた。

目が金色だった。


短径3m程の楕円の穴は、

それと同じ程の深さと同じ形の底面を持ち、

底まではっきりと見通せるのだった。


深さの半ば程で少し膨らんだような形をしているのが

はっきりと見て取れた。


黒猫(♀)は黙って自分を見つめていた。

無表情に見える、いつもの顔つきだった。


自分は彼女を置いて帰ったようだった。


数日後、自分は其処に戻った。

雨が降っていた。

彼女は同じ格好の侭、黙って自分を見上げた。


自分はその穴が、表門の前の溝に繋がっていると思った。

自分は表に回った。


正面玄関から三々五々、傘を差し階段を下りてくる人影が見えた。

そして、

門の近くを行きかう人の数は、それよりも、もっと、多いのだった。


自分は、溝に降りて黒猫(♀)を呼ぶことを諦めた。

自分は、彼女を置いて帰ってしまった。


数日が経った。

自分は、母にその話を打ち明けようとした。

自分は、母の助けが欲しいのだった。


母は笑みを浮かべ、次々、喋りたいことを喋ってはまた、

次の喋りたいことをしゃべった。

母は決して自分の話を聞こうとはしなかった。


自分は

新しい猫(雉虎猫)に感けているからこんなことをしてしまった、

と、思った。

自分は

悔み、焦り、救いも無いと感じた。


取り返しがつかないのだろうかと思った時、

自分はふと、思い出した。


黒猫(♀)は4年前の10月11日以来

ここに来ていないのではなかったか、と。


先の見えない恐ろしさを感じたところで目が覚めた。