2011.07.26 00:20am頃見た夢
黒猫がこちらを見ていた。
黒猫は梢の先に立ち、二階の窓越しにこちらを見ているのだった。
窓を開けると、
黒猫は直ぐ深い緑の葉が茂る枝を幹まで退き、振り返ってこちらを見た。
自分が黒猫を呼ぶと、
彼女は枝を走り、枝から枝へと跳び、
鬱蒼と茂る広葉樹の中を駆け回った。
その顔立ちを見、
ふっくらとやや短めな尾の、
先だけが鉤になって動く様などを見、
自分は、
彼女が出て行った黒猫(♀)に違いないと判断した。
黒猫は、
黒猫(♀)が家を出た頃の、猫としての盛りを過ぎつつある姿ではなく
生後一年くらい、
丁度、
虎猫(♂)と番になった頃の、
あどけなさが残る姿をしていた。
自分は窓から黒猫を呼んだ。
黒猫は、なお暫く枝から枝へと駆け回った後
素早く部屋に飛び込んできた。
黒猫は部屋の端を壁沿いに、時計回りに駆け回った。
しまいに、
彼女は壁面を走り、
壁面から壁面へと蝙蝠のように飛びまわった。
一頻り駆け回った後、
黒猫は自分の側に来て、寄り添うように蹲った。
自分は静かに部屋を出、母親の所へ行った。
そして
黒猫(♀)が帰ってきたことを告げた。
自分はドアを開け、部屋に戻った。
がらんとした壁と、僅かな家具と、
部屋の真ん中に、ドアから窓の方へ向けて敷かれた布団に、
薄曇りの午後の陽が射していた。
待ち構えていたように
掛布と敷布の間に潜った黒猫が、勢いよく走り抜け、窓際まで行って立ち止まった。
黒猫は窓の方を向いた侭、動きを止めた。
自分は黒猫を抱き上げ、母親のところへ行った。
そして二人で、
出て行った黒猫(♀)が帰ってきたことを確認した。
黒猫(♀)を抱きながら、
雉がそのうちに帰ってくるだろうけれどどうしよう。
2頭が一緒に暮らすことはできるのだろうか。
と、不意に不安を感じたところで目が覚めた。
蛇足:
・黒猫(♀)の身体的特徴のうち、
尾のみが雉虎猫の鉤尻尾の特徴。
・黒猫(♀)は人に対し警戒心の強い猫だった。
「寄り添うように蹲る」という行動は晩年になるまで見られなかった。
また、黒猫(♀)人に触れられることを極端に嫌った。
抱きあげられることなどあり得ない猫だった。
・黒猫(♀)の、時折立ち止まるなどしてこちらの様子を見る行動は
むしろ、雉虎猫の行動を思わせる。
(少なくとも、黒猫(♀)はそういう行動をとることがなかった)