05.19に見ていただいた「いろくず」(推定 カーネリアン) 。
あれは、雉の毛色に合わせて
雉のイメージで作ったものだったのです…が。
いざ、
手にとってみると雉ではなく。
むしろ
初代虎猫(♀)の感じ…
と
思えました。
初代虎猫(♀)は
2001年の梅雨時に現われた野良猫。
2匹の仔猫の母親でした。
とある曇った日、
2匹の仔猫が家の庭に迷い込み、
猫穴(勝手口横の物置下の隙間)の下で鳴いておりました。
わたしが猫穴を覗いておりますと、
初代虎猫(♀)が現れ、私を威嚇いたしました。
彼女は、わたしが仔猫たちを捕えたと誤解したのでしょう。
後日、誤解は解け、
彼女は子猫たちを連れて家の庭に現われるようになりました。
彼女はたちはうちの近所のどこか
(当時は何軒か空き家がありましたから、
その内のどこかであったろうと思います)で生活していたようでした。
仔猫たちは見る間に育ち、
塀で寛ぐ姿なども見かけるようになりました。
彼女は大層狩りが巧みでした。
ある時。
彼女は
台所の三和土に静かに坐っておりました。
金目一閃、彼女は音もなく2足で立ち上がり
真剣白刃取りのように両手を高く掲げ、素早く合わせました。
彼女は何事もなかったように再び猫の正坐の姿勢を取りました。
そして、彼女の前には蚊が一匹、
息絶え転がっていたのです。
彼女は万事そんな流儀でこなし
常にクールに構えておりました。
やがて仔猫たちがうちの庭で、
彼女に獲物を与えられ擬似狩りなどする姿が見られるようになりました。
夏には、仔猫たちも自分で獲物をしとめるようになり、
朝、勝手口の扉を開けると蝉の亡骸などが並べられていることも
珍しくはなかったのです。
秋になると
彼女は少しずつ、仔猫たちとの間に距離を置き始めました。
彼女は仔猫たちと寄り添って寝ることを拒むようになり、
やがて
擦り寄り甘える仔猫を追い払うようになりました。
そして
二匹の仔猫のうち、♀の仔猫が姿をみせなくなりました。
ある秋の明るい夜、
彼女は、軽やかに飛び跳ねるような動きで威嚇しながら、
♂の仔猫を追い遣っておりました。
アスファルトの上、
街灯の光に照らされた彼らのシルエットと陰が
踊るような動きで跳ねまわっておりました。
その夜を境に
♂の仔猫も家を訪れることがなくなりました。
彼女は子育てを終え、子別れをしたのでしょう。
それからしばらく、彼女は何事もなかったように
うちの近所で生活しておりました。
そのころ彼女は
庭で洗濯物を干したり、
回覧板を回しに近所に出る時など
付かず離れず寄り添って歩いてくれるようになりました。
わたしは、彼女が、すっかりなついてくれたように思っておりました。
しかし、
12月に入ると、彼女の訪れは次第に間遠になりました。
そして、
クリスマスまでもう少し、という頃には
誰も
彼女を見かけることはなくなったのです。
彼女の行方もまた、杳として知れません。
今となっては、
彼女は流れの野良猫で、子育てを終え子別れをすますと、
よりよいDNAを求めて新しいテリトリーを開拓するべく
再び流れて行った…
というように思われるのです。
さて。
そのいろくず(推定カーネリアン)。
一か所間違っていた…

と
いうことに気づきました。
どうしたものやら(笑)
ところで。
「いろくず(待機形態)」を作りました。
(アミュレットのような感じではなく
普段気軽に使えるペンダントヘッドが欲しかったのです。)
こちらはひどい失敗はないよう…です(笑)
(「いろくず」は静哉 氏のデザインになるものです。
「いろくず」のレシピは雑誌に『My Beads Style 9』
掲載されています。