ぼやき。
80年代。
JWムチ最盛期。
小さい頃は、母の裁縫用の細長いものさしで、よく打ち叩かれてました。
だけど、それは私を叩くとすぐに折れてしまうので、
母は仲間の姉妹から鞭打ちにゴムホースが最適だと聞くやいなや、
近くのホームセンターで青いホースを買ってきて、
そいつで私のお尻をぶつようになりました。
でも、そのホースは手に持つとグニャリと折れ曲がるほど柔らかくて、細くて、頼りない感じだったので、こいつはあまり相応しくないと感じたのか、今度は薄緑の硬くて太いごっついホースを買ってきて、そいつで私を何十回と打つようになりました。
あまりにも頻繁に打たれるので、
そのうち慣れて二十発ぐらいは我慢できるようになったけれど、
それ以上になると、打たれるたびに電撃が身体中に走るので、勝手に体がのけぞります。
すると、母はムチから逃げたとさらに怒り、また鞭打ちの回数を増やしていきました。
そのうち激痛の中で頭が混乱し、
何気に、イエスが受けた鞭打ちはもっとひどくて、肉が裂けて飛び散るほどのものだったから、私のはまだマシなのではないかと、思ったりしました。
しばらくすると、一枚の紙切れが母の手に渡りました。
どなたか姉妹から渡されたようでした。
ベルトのムチの作り方がイラストと共に詳しく書いてありました。
ベルトの先に長い切れ込みを入れて、そいつで子供を鞭するとよく効くらしいのです。
そいつを見て、打たれたら肉が裂けるんじゃないかと恐怖をおぼえましたが、母はそれを作るのを断念しました。
ベルトは高価なものだから、お金がなくて購入するのが無理なんだそうです。
私はそれを聞いて「ラッキー」だと思いました。
牛や馬じゃあるまいし、
なんでそんなにぶたれないかんのか、
母は父と仲が悪かったので、
私をぶつとさぞかしスッキリしたんでしょう。
母はアル中の父によく泣かされていたので、
精神的に不安定だったのかも知れません。
集会で子供を文字通りの「愛のムチ棒」で懲らしめるよう勧められて、安心して私をぶっていたんでしょう。
まあ、JW2世、あるあるですね。
組織ぐるみで、子供をアザがつくまで打ちこらす。
逃げたくても逃げられず、
母も哀れで、どうしようもなく、
この気持ちをどこに向けて発したら良いか分からず、
時折思い出しては泣けてきて、
ぽっかりと心に穴があいたまま、
ずっと過ごしていくんだなあ‥と思います。