今日は伯父のお通夜でした。

伯父と言っても血のつながりのない伯父。

私と血のつながりがあるのは伯母の方。

 

享年88歳の伯父は、

若い頃、だいぶ伯母を泣かせていました。

 

伯父には色々な女がいたみたいでした。

それが原因かどうしてか分からないけれど、

 

私が子供の頃、 

伯母が何度も私の家に逃げて来て、

 

何度も、伯父が「返って来てくれ」

と謝るというのを目撃していました。

幼心に、おじさん浮気したらしいっていうのが分かりました。

 

伯父さんは優しくて、

映画俳優みたいにカッコ良くて、

モテるんだろうな…と 

子どもながらに思いました。

 

そんな事を繰り広げていた若き日の伯父と伯母を 知る私は、

てっきり、冷え切った夫婦だと思っていました。 

今日、お通夜振る舞いの席で、

 

伯父さんが息を引き取る時の 

二人の最後の会話の事を聞きました。 

 

「俺はヤッパリaiko(仮名)が一番だったよ」

って伯父が言って、 

「私もですよ理さん(仮名)」 

と言って手を握り合って、

伯父は昏睡状態になったそうです。 

 

つまりこれが最後の言葉、、、

ロマンチックが過ぎますよね。 

 

私が駆けつけた時には、

伯父さんは息を引き取り、

 

直前に、そんなロマンチックを繰り広げていたはずの伯母は、 

もくもくと病室の片付けをしていました。

 

覚悟していたとは言え、

涙一つ、顔色一つ変えず、

お別れに来た親戚の事もお構いなしに、

 

一心不乱に、

サッサと病室をまっさらの状態に片づけてしまいました。 

 

まるで、別の何かを片付けるように…

亡き夫を愛おしむ訳でも無く…

泣き崩れる訳でも無く… 

 

それは、何かしていないと、

泣き崩れてしまいそうで 

ただ黙々と片づけているようでもあり、

 

やり遂げてとサッパリしたようでもありました。 

 

長い二人の歴史の中で、

二人の関係がどんなものであったかは、

私には分かりません。

 

最後に「お前が一番だったよ」といった伯父。 

 

浮気、姑の介護、伯父の闘病、認知症、

を全部飲み込んで、 

その上で、夫に「私もあなたが一番でしたよ。」 

と言ってのけた伯母。 

 

本心だったのか?

「葬儀屋さんが来ると、忙しくなるよ! 

お腹すいたね?何か食べに行こう? 

なに食べたい?」 

と笑って言いました。

 

怖い怖い怖い。 

おばちゃん! 夫がなくなって、

笑ってお腹すいたね~って まずいって!

って思ったけれど、

直前にそんな ロマンスがあったなんて、

信じられないほど、 サバサバしてて怖いくらいでした。

 

 「私もですよ」 

は本心だったと思うけれど、 

 

極めた女はこうなるんだわね、 

怖いな~って 

ちょっとしたホラーに見えたんですよね。

 

********************

 

お通夜がある度に、

アセるのよ…礼服サイズ大丈夫かな?って。

こういう礼服買っておいた方が良いのかなぁ~