後々加筆修正する予定。
ジュテーム、カフェ・ノワール (Dariaコミックス)/ヤマシタ トモコ

”召しませ恋の話アラカルト”-『ジュテーム・カフェ・ノワール』(ヤマシタトモコ)
おすすめ度:ヤマシタトモコ好きなら★★★★★
ヤマシタトモコ作品初心者なら★★★☆☆
カフェ好きなら★★★★★(笑)
短編を集めた作品ということで、色々なタイプの話があり
どれから読んでも味わい深いなと思いました。
今回表題作が「カフェ」だったこともあり、パリ派の画家について思い出したことで、作品に対してしっくりきた部分がありました。
ヤマシタトモコさんには「エコール・ド・パリ」の芸術家と似ているところがあるなと思うのです。
ギョーム・アポリネールやマルク・シャガールのよう。
「哀愁」という魅力を持った人です。
ヤマシタトモコさんは実際はそういったくすんだ色合いはカラー絵では使用していないのですが、モノクロの絵とストーリーの中から感じられる色合いは子供の頃に見た旧ソ連時代の絵本のような
色彩としてはくすんだ色合いというのでしょうか。
そういう色を持っている方だなと思います。
穏やかだけどドラマチックで、オシャレな短編映画を見ているような感じになりました。
お気に入りは「ワンスアポンアタイムイントーキョー」。
今回の表題作と共通している感じがしました。
刹那の出会い、偶然のドラマを描いた作品。
今回「きみ」「さようなら」という言葉が特に響くなぁと思いました。
平仮名ことばがなんて似合う方なんだろう。
うまく説明できませんがそんな気がします。
文章の平仮名言葉のバランスが。
表題作「ジュテーム・カフェ・ノワール」は
人を好きになることの重さみたいなところもさりげなく台詞で書かれていて
さらっと読めてしまうのだけれど、ひとつひとつおさえていくと言葉に重みがあるなと思います。
あとはカフェの魅力はここだよね!という所が書かれているところがカフェ好きとしてもたまらないですね。
ヤマシタトモコさん自身がきっとカフェお好きなんだろうと思います。
自称カフェ好きとして実際にあるなら行きたいお店ですね。
純喫茶ひらいたら私もぜひ行ってみたいです(笑)
あとがきでそれぞれの作品が生まれた時のBGMが書いてあるのですが
そちらを聞きつつ読むとさらにいいかも。