●図書館や本屋さんでウロウロするのが大好きです。本屋さんは一店につき1時間以上居たりしますね。時間つぶしは大抵本屋さんなので、メモ帳とエンピツは必需品です。お金持ちならば買いたい本は買えるけれど、貧乏学生は欲しい本はメモって図書館に探す、なければ入れる!これが基本でしょう(本当か?)
ポター資料類をリストアップするのにひっかけてきた本
- □三宅 興子『イギリス絵本論 』(翰林書房.1994.10)
- ホーン・ブックから始まる絵本の歴史と、代表的絵本・絵本画家の紹介、『ちびくろサンボ』で問題視された差別意識について、イギリスの絵本観の歴史など幅広い分野をカバーしています。子どもの教育の歴史と関連して概要をつかむには良い本かも。
- →ビアトリクス・ポター関連項目:Ⅱ絵本史を拓いた絵本・絵本画家 ビアトリクス・ポターと小型本の系譜
□矢野 智司『動物絵本をめぐる冒険―動物‐人間学のレッスン 』(勁草書房.2002.9)
絵本に描かれた動物キャラクターや物語から人間像を探っていくといったものです。ピーターラビットの絵本からも作家の生きていた時代の文化を読み取ることができますし、当時の母親、あるいは主婦像も見えてきます。普通の量ですし各章のセクションも短く分かりやすくまとめてあって読みやすいのでオススメです。
→ピアトリクス・ポター関連項目:Ⅱ擬人法と逆擬人法をめぐる冒険
□坂井 妙子『おとぎの国のモード―ファンタジーに見る服を着た動物たち 』(勁草書房.2002.3)
担当の先生からもオススメされた本です。動物絵本関係に絞った本というのはかなり少ないので大変助かります。こちらは動物たちの着ている衣服について主に扱われているので、歴史とリンクしているのでためになると思います。ファッションからのアプローチといっても絵本に関係しているので、子ども観、教育史とも関連する内容ですので応用範囲は広いです。
- □板坂 耀子『動物登場 』(弦書房.20004.4)
- 選考が江戸文学というのもあって結構渋いセレクトもあります。こちらも人間像を探る類の本です。
□脇 明子, 島 多代, モーリス センダック, Maurice Sendak『センダックの絵本論 』(岩波書店.1990.5)
絵本作家の書いた絵本論ということで、文芸批評専門の人とは少し違った書き方をしているかもしれませんが、たくさんの作家が取り上げられていますが一作家につき10頁弱の分量です。しかし、興味深いエピソードなどが書かれているものもありますので面白いですよ。
□井辻 朱美『ファンタジー万華鏡(カレイドスコープ) 』
今年の5月に出たばかりの新しい本です。ファンタジーといっても作品の分析などに限らず「博物館とファンタジー」や「フィギアの物語-体と魂」など今までとは違ったアプローチからもファンタジーについて触れています。多方面からアクセスしやすい本かもしれません。第一章は現代児童文学作家としてダイアナ・ウィン・ジョーンズとJ.K.ローリングの二人を上げています。映像化についても『ハリー・ポッター』と『指輪物語』は触れていますので映画と原作と両方見たという方は理解しやすいかもしれません。第二章ではファンタジー関連で必ず触れるJ.R.Rトールキンをあげています。さらに、最後に『十二国記』もとりあげているので興味のある方は是非そこだけでも読んでみてくださいね。『十二国記』で述べられている内容は『千と千尋の神隠し』や『ハリー・ポッター』、そして多くのファンタジー作品にも関連してくる「水」のモティーフと関連している内容もあります(「彼岸と此岸の「二つの世界」)。またファンタジーの異界とゲーム世界についてなど現代ならではの話題も出てきますので興味のあるものから読んでみてください。結びの文章(おわりに 善悪なき時代のファンタジー)は特に興味深いです。現代のファンタジーものに見られる傾向など参考になる部分が短い文章に凝縮されています。
□北本 正章『子ども観の社会史―近代イギリスの共同体・家族・子ども 』(新曜社.1993.10)
「子ども」関連のものを学ぶにあたってベースとなる部分を押さえた本です。ここから絵本や児童文学関係、児童心理学、教育史、保育などへ応用できる情報が詰まっています。この本を一冊持っているだけで、こども関係のすべてのレポートに応用が利くくらい300頁ほどの本ですがかなり綺麗にまとまっている本です。定価¥2472ですが、そのうち購入したい本です。私の大学におかれているのですが利用頻度はそんなに高くないのが謎。凄く良い本なので是非。