39歳 癌になったママ女医 〜Cancer Gift〜 -2ページ目

39歳 癌になったママ女医 〜Cancer Gift〜

消化器内科医 緩和ケア医 2児の母 
39歳で子宮頸癌と診断されました。
それからの経験がどこかで何かの役に立てられればと思い、綴ります。
癌の手術や化学療法などの治療に挑む方。
小さな子どものママで癌を患った方。
医師としての自分、母としての自分に。

私の長期入院中に息子は誕生日を迎えた。

 

息子は4歳に。

 

本当は、

 

当日朝彼が起きる前までに部屋をガーランドなどで飾りつけして

 

夜の誕生日会では、かぼちゃのスープやコロッケやお魚など、彼の好物ばかりを用意してあげたかった。

 

彼の誕生日の満面の笑みを見たいがための

母親の自己満足かもしれないが

今年はおあずけ。

 

これから先、ずっとそばでお祝いするためには必要な我慢だ。

 

せめてもの、ということで好きなドラえもんの絵のバースデーカードを病院から郵便で送った。

 

 

その夜の誕生日会は夫がケーキとプレゼントを用意。

私は、ビデオ電話でリモート参加させてもらうことになった。

なんて素敵なサービス、ビデオ電話。

 

 

部屋の電気を消して4本のろうそくの火をつけたケーキをハッピーバースデーの歌をみんなで歌いながら、キッチンから本人の前へ運んでくるのが我が家のスタイルだ。

 

 

暗闇の部屋がスマホに映し出される。

こちらデイルームで少し恥ずかしいものの、小さい声で私も歌う。

 

少し見にくいけれど、ろうそくの火とともに

本人の前にケーキが運ばれてくるところが見えた。

 

ケーキには彼が最近ハマっているティラノサウルスがプリントされたチョコのプレートがのっている。

 

 

素敵な横顔でフーッとろうそくの火を消した息子。

きっと、4歳になったという自信と期待と満足感で満ち溢れているに違いない。

 

 

生きてるって素晴らしい。

 

 

リモートでも誕生日を一緒に祝えた幸せ。

まだまだこの先、何回もの誕生日を祝ってあげたい!