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はぴいち~Happy each other~のブログ

お立ち寄りいただいたみなさん
どうもありがとうございます。

このブログは私の気づきや体験、
また日常を綴っていきたいと思っています。

そして書きながら 常に自分も
自身を見つめ直し、しっかりと自分の道を歩んで行こうと思います。


一緒に散歩に行こうと伝えても
家族の目を盗んで家を抜け出し
ひとりでこっそり散歩に出てしまう父。
自分のタイミングで
自分のテンポで自由に歩きたい人。

川の土手を30~40分かけて
散歩するのが毎日の日課だった。

そんな父がいつものコースを歩くのがシンドいと言い出したのは1週間程前だった気がする。


「急に暑くなったし無理はしない方がいいね!」と話し、いつもの散歩コースをグッと縮めて 往復15分程度の散歩コースに変えたところだった。


「今日の調子はどう?」と私が聞くと
「今日が一番悪い!」と父は連日一番を更新し続けていた。

何となくおかしいよね?
急に体力が落ちた気がしない?
母とそんな話をしたのが数日前。

食欲が少し減った程度で熱もない。
なんとなくダルそうだけど、大きな変化はないまま過ごしていた。


一昨日の夜から父が右側の首から腰までが痛いと訴えたので、母が肩を揉んだり湿布を貼ったりしたそうだ。
その後も痛みは改善しないまま
今度は脇腹が酷く痛むと言うので
「救急車を呼ぶ?」と母が聞くと
「うん」と父は答えたんだそう。
「救急車を呼ぶならお姉ちゃん(私)に連絡しないと」と母が言うと
「だったら呼ばなくていい」と父が言うので、どうしたものか?と昨日電話で報告を受けた。


「首や肩や腰が痛いなら整形外科に連れて行ったらいい?」と父に聞くと
「整形じゃねーな」と言う。

「どこかにぶつけたり転んだりした?」と聞くと
「転んでねぇ!」と言う。

「内科に行くってこと?」
「そうだな」

「脇腹はどんな風に痛むの?呼吸が苦しいとかある?」と聞くと
「分からねぇ」と返答され、私もどうしたものか?と考えてしまう。



そこで父が胃潰瘍でお世話になっている総合病院に連絡し 今の父の状態を説明。
整形外科を勧められるも、本人はそうではないと言っていると伝えると、本人が内科的なことを心配しているのなら…と総合診療科を受診することになった。


受診する前に測った体温は36.9度。
病院の待合室で測ると37.0度。
諸々の検査が終わった頃にもう一度測ると37.4度。
じわじわと上がってきていた。

いつもより痰が絡んだ咳が出始める。
痛みのせいか何となく呼吸が浅いようにも見える。

パルスオキシメーターの値は95。
検査が終わった時に再度測ると96。


コロナもインフルも陰性。



CT検査の結果
父は肺炎になっていることが分かった。
胸膜にも炎症があり、肺に水が溜まっていると説明を受けた。



右肺炎、右胸膜炎、右胸水貯留
という診断だった。



父はそのまま入院することになった。



父が入院となると、私が真っ先に心配になるのは「せん妄」だった。


ここがどこだか分からない。
点滴や尿道カテーテルを抜いてしまう。
昔務めていた職場に行かなければと病院内を徘徊してしまう。
父が訴えている言葉を 一生懸命聞いても何を言っているのか こちらが受け取れない。


またあんな風になってしまったらどうしよう?


私がそう思ってしまうのは
今日検査の途中で父のおかしな言動を2回見たからだ。


最初は父が検査の順番を待つ間にトイレに行った時だった。
トイレの前で父が出てくるのを待っていると、看護師さんがやってきて
「今ナースコールを押されたようなのですが、ご家族がこちらのトイレをご利用中ですか?」と声をかけられたのだ。

「お父さん!どうしたの?大丈夫?」
とトイレの中を覗き込んで声をかけると
「なんでもねぇーよ、大丈夫だよ」

「お父さんトイレのナースコール押したみたいなんだけど、間違えちゃったの?」
「ここのボタン押したよ」
と指をさして私に教えてくれる。

「間違えて押しちゃったの?」
「分かんねぇ~けど押した」

「(看護師さんに)ごめんなさい、何かのボタンと間違えて押してしまったんだと思います」
「大丈夫ですよ、何でもないなら良かったです」


父の言動に 一瞬おや?と思ったけど、
その時は単純に間違えたんだろうと思い あまり気にしていなかった。



私が驚いたのはその次。
「あそこに血圧計があるので血圧を測っておいてください」と看護師さんに言われた後だった。
父と並んで血圧計のある場所まで歩く途中で、父が急に立ち止まり壁のポスターをジーッと見始めた。
「どうしたの?」と声をかけると突然そのポスターの1ヶ所に向かって父が
「もしもし~?もしもーーし?」と言い出したのだ。

人か写っているポスターではなかった。
小さな四角いマスの中に胃か腸の画像が写っている その部分に顔を近づけてもしもし?と言っている。

父の予測不能な言動にプチパニックになりながら、

「お父さーん!今から血圧を測りまーす!血圧計はこっちですよー!!」と言ってみた。

すると父は促されたかのように血圧計の前に座った。

「腕をここに入れてくださーい!はい、測りますよー!ポチっ」

ボタンを押す自分の指が震えている。
正直、おかしな父が怖かった。



以前せん妄になった時の父の様子が
私の中で鮮明によみがえる。


入院病棟に案内されるまでの間に

「お父さん、今日は何日だっけ?」
「6月…26日!」

「おお!そうだね!何曜日だっけ?」
「金曜日!」

「えっと…月曜日だね…」
「ああ、そうか…」

「今日はなんで病院に来たの?」
「(脇腹をさすりながら)ここが…痛てぇ~から…だよ!」

「痛い原因が分かって良かったよね!先生さっきなんて言ってたっけ?」
「肺炎…だって!」

「そうだね。入院になるけど 治療すれは痛いのも治まるだろうから、頑張ろうね!」
「嫌だけど…しょーがねー…もんなー」


以前はどうしても入院は嫌だ!とダダをこねて先生を困らせていた父が、今回はすんなり入院を受け入れた。
きっと とても痛いのだと思う。
そして息が続かないのか、言葉を短く切りながら喋る。
今の時点でここまで本人が理解できていれば、今回はせん妄は心配しなくても大丈夫だと思いたい。



私は父を見ながらそんな風に考えていた。



程なくして父が病室に案内された。
これでまた父にしばらく会うことができないのだと思っていた。

別室で入院の説明を受けながら
今月から家族2名までなら談話室で10分だけ面会ができるようになっていることを知った。

「せん妄が心配との事ですが、ご家族の顔を見ると患者さんも安心すると思うので、是非顔を見せに来てあげてください。」
と言ってもらえて私もホッとした。


説明が終わると父のいる病室に10分だけ入れてもらえた。


「必要な荷物は明日持ってくるからね」
「いっぱい…持って…くるなよ?」

「OK!とりあえず何が必要?」
「メガネと…靴下」

「了解!疲れただろうから今日はゆっくり休んでよ」
「ここは…静かで…いいけどよ、まだ…何にも…してくれねぇ~から…痛くて…眠れね~よ」

「針をさしてお水を抜くってさっき先生が言ってたよね?そしたら楽になるかもって。」
「早く…やって…くんねーかなー」

「もう少しだからブーたれないでさ 」
「分かったよ!」



10時過ぎに病院へ行き、私が病院を出たのは17時少し前だった。
実家に寄って母に諸々を説明。
明日の持ち物に父の名前を書いてバッグに詰める。
たくさんの書類にサインをする。
昨年の8月も同じ病院に入院した父。
あの時も同じことをしたはずなのに、喉元を過ぎると私の記憶も曖昧になっているのが分かる。



今日も長い一日だったな。



肺炎と聞くと高熱が出るイメージだったけど、今回の父は痛みの方が先で微熱が出てきたところで入院になった。
肺炎だけなら痛みはないと聞いた。
胸膜まで炎症が起こると父のように痛みを訴えるそうだ。
熱はこれから上がるのかもしれないし、そうならないかもしれない。



ひとまず、私の記憶が曖昧になる前に…
φ(..)メモ










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