私は花屋で働いている。
私の『気づき』のきっかけは、その花屋で販売している『榊(さかき)』からエネルギーを感じた事だった。
榊は神棚に供えるためのもので、サカキの枝葉がキレイな二等辺三角形のような形に組まれたものだ。
仕事中 何気なく手に取った時に、もわ~とシビレるような変な感覚がして、驚いた私はすぐさま榊を手放した。
『何これ?なんか怖い!!』
とっさにそう思ったが、気のせいかもしれないと思い直し、再度持ってみる。
やっぱり、もわ~っと変な感覚がする。
店にある榊を片っ端から持ってみると
もわ~っとするのは、たくさんある榊の中でも数束しかないことが分かった。
もわ~っとする物を手にしていると、頭の中に何かぐちゃぐちゃの線が浮かんできた。
私は幼い頃から、自分の想像とは関係ない映像が頭に急に浮かぶことがあった。
他の皆も当然同じ様にそういうものが見えていると思っていたので、誰かに話したこともなく、出てくる映像をあまり気にした事もなかった。
ただ何かを触ってもわ~っと変な感覚がしたり、何かを触った事で頭の中に映像が浮かんだ記憶がなかったため、同じ花屋の従業員にこんなような事があるか?とたずねてみた。
『え~?私 花屋で長く働いてるけど、そんなこと一回もないよ?』
という答えが返ってきた。
これがその榊なんだけど…と渡しても、不思議そうな顔で 何も感じないという。
それから度々、榊だけでなく他の花からも同じような感覚を味わう事があった。
お客さんが手に取った花を会計のために私に渡された時に、めまいがするような感覚になることもあり、やっぱりこれは気のせいじゃない!と思う様になった。
この変な感覚は植物が出す、『気』みたいなものなんじゃないか…
漠然とそう思った私は、『気』について色々な事を調べ始めた。
気とはエネルギーの事で、人にも植物にも、ありとあらゆるものに存在しているのだと一応の納得はできた。
それに敏感な人、そうでない人がいるのだろう。
ある日、自宅にある観葉植物を目の前にし、深呼吸をして感覚に集中しながら両手で葉に触れてみた。
もわ~っとはしなかったが、代わりに触れた場所がピリピリと電気が走るような感覚がした。
家中の植物で試してみると、そのピリピリする感覚に大小の違いがあった。
植物の大きさに比例しているのかと思いきや、あながちそうでもない。
私の中でその強さの順番をつけてみた。
『鉢を並べて何やってるの?』と娘に尋ねられたので、詳しい事は話さず『面白いこと発見したの!ちょっと葉っぱ触ってみて。何か感じない?』と聞いてみた。
最初は難しい顔をしながらじっと葉っぱに触れていた娘が、『あっ!』と声を上げた。
『なんかピリッピリッってする!すごい!』
娘が同じような感覚を体感したことに心が踊った。
『それぞれピリピリが強いのと弱いのがあるでしょ?強いと思うのから順番に教えて!』と私が言うと娘は目を閉じながらまた葉に触れ、『一番はこれかなぁ…次はこれかも…』と並べた鉢の順番が、なんと私と全く同じだった。
私の中で、植物からエネルギーが出ているかも?いや私の思い込み?という半信半疑な気持ちが、確信に変わった。
そして過去に経験したある出来事を思い出した。
続きは次回へ…。