眠れない・・・。


久々に夢を見た。あの人が笑っている顔。


あれは間違いなく最初の頃の笑顔だった。


どうして僕は間違えたんだろう。失くしたくないのはあの笑顔だったのに。


あの人が名前を呼び変えた日。気付かない振りしていたんだ。


あの時から、なんだね?


僕は付き合って、あの人にあそこまで言わせるほど傷つけたんだ。


前の彼女のことは言い訳にしかならないと知っているのに。


そして、朝・・・無性に会いたいと願ってしまった。


会う資格などないのに。


ただ、彼女の笑顔を見たかった。今会えてもむなしくなるだけなのに。


自分の行動がどれほど無意味か知っている。


今の想いがあの人に届くのならどんな痛みだって受け入れられる。


届かないね・・・。また振り出し。いやもっと遠い距離に君はいるね。

寝る前だけど考えてみる。


今まであの人に何をしていたんだろうか。


一緒にいて楽しかった記憶より、今は辛い記憶のほうが多い。


これから楽しい記憶が増えていけばよかったのに。


それだけ傷つけたことが多いんだろうな。


あの人は今、僕を友達としてさえ見ていないと思う。


最初から始めなきゃ。今は連絡を我慢して。


二度と傷つけぬように、あの人に好きな人ができたら応援できないけど。


何も出来ないけど。ただ、もう一度振り向かせるって決めた。


僕は変わっていける。


あの人を好きな理由。実はわからない。


それでいいんだろうかと悩んでみる。また考えよう。


しっかりと見極めて。自分の行動も振り返って。


友達として二人で楽しめるだけでも変わるのだろうか。


あの人はずっと前から俺を見て冷めたんだろう。


でもずっと前の俺は苦しんでいた時期で。


納得できないのはそれが理由だからお互いの理由にズレがある。


どうしたらいいだろう。

『だからこそ、決めたことがある。』
あの人の気持ちは俺にはない。前からすでに気付いていたんだろう。
俺は過去から逃げ続けていたんだ。ただそれだけなんだと思う。
こう思うのは、結局・・・身勝手だけど。
あの人いたから変わることができた。
そのことを何よりも感謝しているけど、
それ以上にあの人に惹かれている俺がいる。
遅すぎるくらいだった。それが何よりも辛い。
何故最初にそうできなかったのか。と、思う。
「あの時はできなかった。」
それが残酷にも現実として残る。
あの人は「友達としか見れない」と言った。
きっと、それはあの人なりの優しさなんだろう。
友達としてでさえ、いたくはないはずだから。
だからこそ、俺は一つだけ決めたことがある。
今すぐでもなく・・・。
友達として接するわけでもなく。
「ただ、あの人の気持ちをもう一度動かそうと思う。」
人の気持ちをまた振り向かせるのは、何よりも難しいこと。
それを過去の辛い記憶から何よりも深く知っていても。
無意味かもしれない。時間の無駄かもしれない。
それでも・・・。
「あの人は生きているから。」
だから、今・・・俺自身が一番辛い道を選ぼうと思う。
人にとってはそうじゃないかもしれないし、馬鹿馬鹿しいと思う。
きっと、動かない。そう知っていても。
「どうしようもなく俺は弱い」彼女の言葉に重ねてみる。
「あたしは弱いの」 今なら彼女が言った言葉が痛いほどにわかる。
それでも、あの人に、そう思われたまま終わるのは耐えられないし、
自分の今の気持ちに嘘はないから。
あの人をもう一度振り向かせる。そう誓う。

曖昧なまま、それがいけなかった。


それが相手を傷つけると知っていても。


理由は、俺にあるから自業自得だけど。


それがあったから、言葉にできない苛立ちや、複雑に絡んだ気持ちをぶつけてしまった。


その理由は前の俺にある。


「大事な人がいた。失くしたくない友達がいた。約束した出会いがあった。」


出会いは偶然。それでも運命と思える程大切な出会いだった。


その関係は今はもうない。誰もいない。


もっと早く会えていたら、何も知らない純粋な頃のまま。


そう思う。


あまりにも現実を知っていた。


どうにもできない辛さがあった。


「約束は守られなかった」


ただそれだけ・・・。消えない傷だけが俺の胸に残った。


誰にも相談できず、抱え込んだまま。


偽りの笑顔で皆と接していた。


だから、付き合うべきじゃなかったと思う。


「前から騙していることには気付いていた」


あの人はそう言った。


本当の自分を隠していたから。そして本当の自分が何より醜くて、駄目だったから。


当然といえば当然だと思う。


それでも・・・。



自分を見つめなおす日記。

自分の行動は相手にどう思われていたんだろう。
ある人の最後のメール。 「自分のした行動、自分で考えたことがある?」
もちろん、考えたことがある。
「本当に?」
そう問いかける。
傷つけた発言・行動。
何度も何度も・・・ある。
傷つけられた発言・行動もまた。
お互いに。それはどちらが原因なんだろうか。やっぱり俺かな。
考えれば考える程、相手を傷つけたり、身勝手な行動が思いつく。
でも、それは向こうだってそうだと思う。
それでも俺は勝手すぎたのだろう。
本音だと言われた最後のメール。
あの人が納得できる理由がそれなら、俺が納得できない理由はそれにあった。
噛みあわないまま終わる。
とても辛いし、後悔している。
変わろうと思う、変わりたい そう言った言葉も届かない。
「信じることができない」
そう言われればそれまでだと思う。
あの人の気持ちは俺にはもうないと分かった。
『だからこそ、決めたことがある。』