あの日のこと、5回目です。
救急車が動き出すと、今自分がどこにいるのか、どっちを向いているのか全くありません。ただ、出された人差し指に自分の人差し指をくっつけにいくことを、何度もやりました。
左は問題なくできるのですが、右は全くできません。腕も指も動かせるのですが、コントロールができません。
天井を見つめ、サイレンの音を聞いているうちに、病院に到着しました。
身体を病院のストレッチャーに移されます。そして院内を移動。
目を開けていると気持ちが悪くなってくるので、移動中は目を瞑っていました。
病室らしきところに入ると質問が続きます。名前を言ってください。今日は何月南日ですか?今はどこにいますか?
さらに出された人差し指に自分の指をくっつける救急車の中でもやったことも何度も何度も。
さらに着替えもさせられました。入院着みたいのを着せられ、さらに紙おむつも。
もちろん自分ではできませんので、看護師さんたちが全部やってくれます。
その後は検査に次ぐ検査。超音波、レントゲン、CT、MRI。もちろん血液検査も。
点滴も始まりました。身体には心電図をとるための機械も常時付けられました。
さらに色々な書類にサインをさせられました。身体は起こせなく、手がきちんと動かない中でのサインです。多分ミミズが這った様な文字になっていたはずです。
どのくらいの時間が経っていたのかはわかりません。一通りの検査が終わって告げられた病名は
多発性脳梗塞でした。

