半年も過ぎ、シャンプー練習も毎日のように繰り返し、
テストを受けるたびに不合格で、何かしらダメ出しを言われ、
(何がダメなんだよ、、)
って思いながら、気持ちよく合格出来ず、
もどかしい思いをしていた頃。
その日も忙しく、バタバタとアシスタント(まだ雑務)に追われてたその時
オーナーが受かってもいない私に、いきなりお客さんのシャンプーを任せてきた。
入りたての私でも顔を覚えるくらいの常連さんだ。
嬉しい気持ちよりも、本番に弱い私はやっぱり緊張して
母親よりもきっと年上のその方は、シャンプー台に寝た時の頭の位置も浅く、
これは……
と、「頭の位置、少し上に上がってもらってもいいですか?」って言葉も言えず、
(頭の位置が浅いとシャワーの水も隙間から漏れやすく、洗われる人の襟元がかなり危険)
勢いで洗った。
万が一の願いは叶わず、
ダバダバシャンプー台の下に水のこぼれる音がした事はスタッフは気付いていただろう。
そう、今だったら頭の位置が多少浅くても洗い方はマスターしているけど、
その頃の私は教えられた事を忠実にしていたので、応用は無く、
なかなかな範囲の襟元〜背中を濡らしてしまった。
「すみません、せっかくシャンプーさせてもらったのに本当すみません...」
って必死にドライヤーで乾かしながら、この後何とか笑顔になってもらえるように...
って思ったけど、こんな大胆に背中濡らして笑顔になれる人なんていないだろう(汗)って、半泣きになって乾かしてた。
自分の練習が練習のための練習になってた事に気付いて、改めて嫌気がさした。
でも、そのお客さんは「いいのよ〜、頑張ってね!」って私を応援してくれたのだ。
オーナーから後から聞いた話、
「『新しく入ったあの子にシャンプーしてほしい』って
言ってくれたんだよ。それってすごく嬉しいことだよね!
元気に挨拶して笑顔で頑張ってるともかさんがとても見ていて気持ち良かったんだと思う。」
この時、私は
自分で自分を守る事しか考えてなかったんだ
って気付いた。
・怒られないように作業する事
・受かるためにシャンプー練習してる事
・元気で笑顔だったら周りに褒めてもらえるから、そうしてる事
全て、“自分の為”
来てくれてる人や、働いているスタッフの皆んなはもっと大人で、
他人の事を応援出来る心の広さと、
思いやりの気持ちのある心のゆとりがあった。
アシスタント業務中、全て自分が可愛くて傷付かないようにしてる行動だって思った。
....次にシャンプーさせてもらえる時には、心から「気持ち良かった」って言ってもらおう。って誓った。
そのあとシャンプーを合格してからは、一回一回が全力だった。
シャンプー台から出られないくらいシャンプー詰めの時は
(またかよ…泣)
って思うけど、
シャンプー台に座った人の頭を洗う頃には
この人には今日のこのシャンプーが一回なんだ。
って毎回自分に言い聞かせた。
「はぁ。こんなシャンプー始めて〜〜!」って言ってもらったり、
「すごっ…」
って言葉を自分のシャンプー技術のレベルアップの確信になっていき、
それからは自信を持って“シャンプーカモンッ!!!”
って思えるようになったある日、
いつも通りシャンプーを終えて
私:「お疲れ様でした〜〜」
って頭を上げ、席にご案内しようとした時、
その年配の女性の方が一言、
『ともかさんにシャンプーしてもらうとね〜、次の日のメイクの乗りが全然違うの。』
と、言ってもらった。
私には衝撃的な一言だった。
(え、シャンプーでメイクの乗りとか変わるの??)
私:「えっ、ありがとうございます...!!!」
当時メイクの乗りとかそこまで気にして無かった私は
シャンプーで肌の質も良くできるのか!!!!!!
...と、また私のシャンプーへの情熱は高まった。
