ガシンッ!
「くっ・・・!」
ずさぁぁぁあ・・・・・
「どうしました?」
おちびは刀を一切ふろうとしなかった。
「・・・貴様ぁ・・・」
「弟と再会したんですからもっと楽しませてくださいよ。さぁ・・・」
「ふざけるなぁ・・・」
弟の表情は冷たく、もうどこを見ているのかすら分からない常態だった。
ガシンッ!ガシンッ!
「ちぃ!」
「・・・。」
気づけば、弟はおちびの真下に回りこんでいた。
ここはこいつの右腕を切れば・・・
「・・・おにいちゃん・・・。」
「!!!????」
ザシュぅ!!!
「くっ・・・!」
おちびの肩から血が噴出す。
弟の刃はおちびを容赦なく襲う。しかしおちびは・・・
「くっ・・・」
「全く。つまらないですね。」
男は指をパチンとならした。
「・・・?」
「やれ。こちび。」
おちびは弟と少し距離をとったまま、肩を押さえている。
うなだれた顔で、弟は口を開いた。
「・・・はい。」
パシッ・・・!
弟は両手を合わせた。
「魔術。背削り。」
「な・・・!!」
おちびのからだは、少しづつ削れていく。
「・・・こちび・・・」
おちびは右手で、弟の心をつかむようにかざした。
「・・・ごめんね。お兄ちゃん。」
「俺は・・・」
・おい。
「・・・ん?」
おちびは真っ白な空間にいた。
「誰だ、この声。」
・後ろにおるわ。
「!?」
おちびは振り返った。そこにはもう一人、おちびがぽつんと立っていた。二人以外は何も無い。真っ白な空間。
・なんで斬らんかったんじゃ。
「なに・・・?」
・かっこうが弟やったけぇか?
「俺は・・・」
おちびは歯を食いしばった。
・ん?
「弟は斬れない。」
・そうかぁ。
もう一人のおちびは少しにやけている。
「・・・なんだ。」
・おまえに任しとけんわ。
「・・・なに?」
・貸せや。おまえの体。
ばしゅぅぅぅぅぅぅぅっぅぅぅぅぅぅぅぅううぅぅっぅうー!!!!!!!!
「なに・・・?」
男は驚きの色を隠せない。
「・・・。」
「効いていないのか。」
おちびは一瞬にして黒い光に包まれた。
その黒い光から姿を現したのは・・・
「・・・ははは・・・。」
ワイシャツにネクタイ。髪の色は黒から白へと変化したおちびだった。
ヨーグル刀は形を変え、大きな剣へと姿を変えていた。
「貴様は・・・」
おちびと似たそいつは、にやける。
「誰だ?」
びゅん・・・!
弟がおちびに突っ込んでいく。
しかし。
どシュぅ・・・!!!
「がは・・・」
「な・・・!」
おちびは剣を使わず、右手で我が弟の腹を貫いた。
血が、おちびの右手を赤く染めていく。
しゅぅぅぅぅぅ・・・・
弟は煙いとなって消えていった。
「あかんわぁ。手、汚れてしもうた。」
「・・・どうやら、背削りのおちび、ではないようだな。」
男はメガネを吊り上げる。
「んにゃ?」
おちびは右手の血を払いながら、剣を持つ。
「もう一度聞く。お前は誰だ?」
「おちびじゃ。」
どごごぉぉぉぉぉぉおおおおおおぉぉおっぉぉぉぉぉおおおおおおん・・・
黒い光が、おちびを包みだした。
「あのよぉ。」
「・・・?」
「俺のこいつが、」
おちびは大きな剣を指差した。
「なんだ・・・。」
「お前の首、欲しいゆうとるけぇ。もらうで?」
「やれるものなら・・・やってみるがいい。」
「いくで。大剣、頭蓋(ずがい)」
ぶん・・・
ずがガガガガがあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんんん!!!
「・・・馬鹿力が・・・。」
おちびの一振りで、そこから塔の上は吹き飛んだ。
「機嫌、えぇみたいじゃ。」
おちびはまた、にやけた。
