:おちびストーリー:第四話「塔」 | ♪ニコニコlife そう、そんな日常♪

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「しかし・・・わからん。」


おちびは地図を片手に首をかしげていた。


地図であることは分かるが、意味がさっぱり分からないのだ。地図にはただ「秘宝:カルシウム」と書いてある以外、読みにくい。


「はぁ・・・。ん?」


おちびの目にふと茶屋が見えた。


「少し休むとするか。」


おちびは茶屋の椅子に腰掛けた。赤い椅子。


「いらっしゃいませ。」


「あぁ。団子3つ。」


「あ・・・あの・・・」


「ん?あぁ。あとお茶な。」


「いえそうではなくて・・・」


「なんだ一体・・・」


振り向いたおちびの後ろには若い女が立っていた。年は同じくらいだろうか。


「あ・・・あの・・・」


「なんだ?金は先払いか?」


「いえそうでもなくてですね・・・お団子・・・ないんです。」


「は?茶屋に団子がないのか?」


「はい・・・。ここ、綿菓子屋なもので・・・。」


「え・・・?」


おちびは茶屋の看板を確認した。


「綿菓子屋・・・。」


「・・・すいません。お茶はありますけど団子はお作りできないので・・・」


「わ・・・わかったわかった。じゃあ綿菓子とお茶・・・。」


「はい♪」


「・・・ったく調子狂うな・・・。あんた、名前は・・・」


その時だった。黒い何かが、おちびをめがけて飛んでくる。


「!!!!!」


キンッ!


おちびは刀で間一髪、かわした。


「・・・。何者だ。」


「さすがは背削りのおちび。とでも言っておきましょうか。」


「誰だ貴様は。」


「わが名は漆黒の嶺(りょう)。さぁ・・・始めましょうか!」


「どうやら俺の話は聞く耳もたんか・・・!」


「ふ・・・。魔術、焼き海苔。」


「!!!!な・・・なんだ・・・。俺の影が・・・!張り付いてくる・・・っ!」


「私の魔術、焼き海苔はその者の心そのもの。あなたの邪悪なものを引き出してくれましょう・・・。」


「く・・・っ!こ・・・心が・・・!」


「自分の背にコンプレックスを抱いているあなたには・・・私は倒せません。」


「邪心が・・・わきあがって・・・くる・・・」


「ふふふ・・・。どうですおちびさん!味もない海苔の感覚は!」


そのとき!


「魔術、綿槍。」


白い矢が、嶺めがけて飛んでいく。


「なに!?魔術、海苔壁!」


キンッ!


「・・・何者です。」


「・・・ぐはぁ・・・っ!」


おちびの体から、影が離れていく。


「大丈夫ですか。おちびさん。」


「お前は・・・さっきの茶屋の・・・に・・・逃げろ・・・」


「しゃべらないでください。後は・・・」


女は立ち上がった。


「私がなんとかしますから。」


「ふ・・・。愚かですね。いいでしょう。二人まとめてあの世いきです!現れろ!魔獣:佃煮(つくだに)!」


「・・・。」


嶺の後ろに巨大な黒い巨人が現れた。


「私が魂を売った魔獣の力・・・思い知るがいい!魔術!味つき海苔!」


巨人の叫び声とともに、巨大な拳が2人を襲う。


「・・・逃げろ!」


「私は・・・」


「・・・?」


「あなたを守りたい・・・。」


「・・・。」


「魔術。綿羽門。」


巨大な白い壁が、巨人の拳を受け止めた。


「なにぃ!?佃煮の腕を・・・止めただと!?」


「これが私の力・・・。」


女の後ろには着物を着た巨大な女性が現れた。


「こ・・・これは!」


「力を貸して。綿姫(わたひめ)。」


「魔獣:綿姫!・・・まさか貴様も・・」


「魔術。綿胞子。」


嶺の周りに、小さな綿が大量に出現した。


「な・・・なんだこれは!?」


綿が少しづつはりついていく。


「ちぃ!離れん!」


「私の綿も、邪悪な心に張り付くの。邪悪なものを全て溶かすわ。」


「か・・・体が・・・溶けて・・・!!!!ぐわぁぁぁぁぁぁぁああああっぁぁぁぁぁぁぁぁあああああ!」


「あなた・・・。邪悪な心でいっぱいだったみたいね。」


「・・・この私が・・・女・・・ごときに・・・」


「わが名は綿花のモコモコ。さよなら。」


「・・・。くそ・・・」


嶺は消えてしまった。




「まさか、綿菓子使いだったとは・・・。だから綿菓子屋やってたのか・・・。」


「はい、ご注文の綿菓子。食べて?♪傷、治るから。」


「俺の弱さを、思い知ったよ。」


「あ、その地図・・・」


「ん?これか?」


「その×印のところ。あの塔のところだと思う。」


モコモコは森の奥にある巨大な塔を指差した。


「あれか。」


おちびは地図を握り締める。


「まってろ。秘宝:カルシウム。」