2 人中、0人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

21歳の公爵家令嬢:ジナイーダ・ザセーキナと、彼女に追従する怪しげな男たちの物語である。
ヴラジーミルが情熱的に、ややマゾヒスティックにジナイーダのことを慕う様や、
男たちがあの手この手でジナイーダにすり寄ろうとしながら、結局翻弄されてしまう様、
少年と父親との微妙な遣り取りは非常に読み応えがあった。
ジナイーダのサディスティックで感情的な言動に対し、内面には結局あまり踏み込めていない印象だったが……。
あとつくづく感じたのは、ロシアの貴族というのは非常に気楽な存在だということ。
投機で全財産をふいにしてしまっても、児戯に似た遊びで日々を暮らす余裕があるとは……流石は公爵家である。