
女声・混声・男声それぞれの作品数編を一つの組曲にまとめた、「風の馬」という作品と、
氏が 書いた歌曲などを合唱用に編曲した「混声合唱のためのうた」が入っています。
個人的にはこの中の「○と△のうた」と、「さくら(日本古謡)」が親 しみやすくてお勧め。
あと、戦争で死んだ人々の残した足跡を淡々と語る、谷川俊太郎氏作詞の「死んだ男の残したものは」もいいです。
終戦 六十年の今年改めて聴くと、また特に感ずるものがあるでしょう。
はっきり言うと、癖の強い作品が多いです。
まずピッチを取るのが面倒で、且
つ各声部でハーモニーをしっかり極めるのも困難です。
お手軽に歌えるものではありません。
聴くのは良いとして、歌ってみたいという思いは
微塵も抱けません。
こんな難しい作品をさらっと歌ってしまう東京混声合唱団はやっぱり凄い。
この団体はより一般向けの、普通の合唱曲を歌
うとしっくりこないのに、
難しい曲を歌わせるとこんなに素晴らしい演奏を聴かせてくれるのです。(褒めてるんだかけなしてるんだか・・・笑)
合
唱作曲家としての印象は木下牧子氏や三善晃氏ほど濃くない武満氏ですが、
氏の作品は、世界の実力のある合唱団が一同に会する演奏会が開かれると
き、
日本代表の合唱団が取り上げることがあったとか。
世界に通じる作品の数々です。