saihate

まぁ１２歳って歳を考えれば大したものだ。

昨日から全然動けてなかったしね。
そろそろかなぁとか思ってたけど、いや、早いなぁお前。
いざ動かなくなったお前を見ると涙が止まらないよ。

市役所はそっちで「処分」しろってさ、
保健所はお前を生ゴミとして捨てろとか言ってるよ。

ふざけんじゃねぇよってんだよなぁ。


最近全然かまってなかったから、お前は僕を全然覚えてないだろうけど、

お前が勝手に隣の家のベランダに侵入してたのを
どっかにいなくなったって勘違いして小学生の僕が
必死に探しまわったのも、
夏休み毎日ご飯をあげたのも、
僕の宿題で母が書いちゃったお前の詩がどこぞの小学生詩集に
掲載されたのも、
父がお前の粘土人形を精巧に作っていたのも、
足にタックルかまされたことも、
楽しそうに土を掘り返していたことも、

僕は全部覚えてるし、いつまでも忘れない。

そうだなぁ、なんだかんだで僕はお前のことが好きだった。

大好きだったよ。気付かなかったなぁ。

さよなら。



飼ってたウサギが今日なくなりました。
さよならって、どうしても冷静に書けなかった。
分かってても、書けなかった。
５文字タイプするだけでこんなに苦しいなんて知らなかった。

亡骸にタオルをかけたら、タオルが上下してる気がしたんだ。
少しだけ息をしてるような気がしたんだ。


老衰だと思う。本当にどいつもこいつも眠るように死んでいくなぁ。
あいつと同じ部屋で過ごした最後の夜を僕は忘れない。

ありがとう、ラビ。