野ブタ。をプロデュース
どうも。
昨日脚本選出用原稿をまとめきって、
悦に浸っていたら武装錬金を見逃した月丸ですorz
そうそう、あるある、打ち切りみたいですね。
志村けんさんが見られなくなってしまうのは残念なコトです。
ゲストは被害者!
わるくないよ!(キャプテン翼風に
なぜ今更「野ブタ。」?
と言われたら、
来年度文化祭でやる劇の候補作として最近読み直したからです。
今日は、この「野ブタ。」の書評まがいのコトをしてみようかと。
まず、この本、アリかナシかで言ったら、
断然アリです。
読みやすい読みやすい。
常に主人公視点で話が進むのですが、
主人公の心の声ツッコミが絶妙。
ドラマ化もしましたが、
個人的には小説版のほうが好きです。
あらすじ。
高校2年生の主人公、桐谷修二は、クラスの人気者を演じて毎日を過ごしている。
人と話を合わせるのが上手く、良好な人間関係を築くのが得意だが、
内心では人と冷淡に距離を置いている。
「親友」に囲まれ、「ガールフレンド」のマリ子までいる「楽しい高校生活」。
修二も、自分で演出したその場の居心地のよさに満足していた。
「近過ぎたら熱いし、遠過ぎたら寒い。
近過ぎず、遠過ぎない、丁度良いぬくいところ。
そこにいたいと思うのは悪いことか?」
ある日、小谷信太という男子生徒が修二のクラスに転入してくる。
色白、肥満、メガネ、ワカメヘアーwith寝癖。
いじめられっこ要素は全て揃っている。
案の定、クラスメイトにいじめられる信太。
たまたま修二は信太がいじめられているところに出くわしてしまう。
良心が咎めた修二は、得意の口先でうまく信太を助ける。
すると、信太が一言。
「弟子にしてください!」
困惑した修二だが、その日高熱を出していて意識朦朧としていた事もあり、
つい安請け合いしてしまう。
最初はやはり断ろうと思っていた修二だったが、
自分の人を騙す能力がどれほどのものなのかが気になり、
結局引き受ける事を決意する。
「オレがお前をプロデュース・・・してやる」
「まずはアタマを坊主にしろ!」
「いじめっこにはヘコヘコして下僕になれ!」
「ズボン破け!」
あの手この手で「野ブタ」こと信太をクラスの人気者に仕立て上げていく修二。
ただの笑い者に仕立てるだけではなく、
「やる時はやる、できるデブ」というのをアピールまでするという徹底よう。
すっかり野ブタはクラスのみんなから愛される存在となったのであった。
いつしか修二と野ブタとの間には、信頼関係にも似たものができていた。
ある日、
修二は、コンビニの前で「親友」がリンチを受けているのを、
誰とは知らずに見捨ててしまう。
学校で、その事を責められる修二。
あっというまに離れていく人心。
もろくも崩れ去る「桐谷修二」。
「ガールフレンド」のマリ子や、野ブタの優しい言葉もつっぱね、
修二は転校してしまう。
もう一度、一から、「桐谷修二」を作り上げるために。
今度は自分自身をプロデュースするために。
ハイ、後半のドン底展開にビックリしました、月丸。
劇にするなら、ココは変えたいところ。
やはり文化祭の劇はハッピーエンドにしませんと・・・。
(ちなみに、ドラマ版はハッピーエンドながらも、意味不明なシメでした。
人間関係を友人の協力によって回復した修二が、
転校先で彰(ドラマオリジナルのもう1人の主人公)と一緒に走りながら
「オレ達はどこでだって生きていける」と言う、みたいな。
あら?テーマはドコへ?
まぁ・・・原作モノのドラマの宿命ですね。)
しかし、原作の方も何度も読み返すと、
ただの無限ループバッドエンドでもなさそうに思えてきます。
そして、修二が内心で友人をバカにしているのが、とても切なく見えてきます。
月丸は、やはりこの作品のテーマは
「近過ぎたら熱いし、遠過ぎたら寒い。
近過ぎず、遠過ぎない、丁度良いぬくいところ。
そこにいたいと思うのは悪いことか?」
だと思うんですよ。
修二は、人に近付きすぎるコトで、自分が傷つくのを恐れているんです。
だからといって、孤独に耐えるコトもできない。
ジレンマを抱えたキャラなのです、この人は。
修二の性格そのものに共感したら、
まぁそれはそれでアレな気もしますが、
本人も気付かない修二の哀しみっていうのに共感する人は
結構いるんじゃないかなぁとか思います。
と、いうワケで!
この本、オススメです。
是非ご一読をば~。
ちなみに、月丸の中で、コレを文化祭劇にした時の、
グッドエンドに持っていく脚本は出来上がっていたりします。
意外と思いつくモンですね。
別に、脚本を担当するワケでもないのですが。
・・・ひぐらしにさえハッピーエンドを望む月丸。
やはり最後は笑ってシメたいですね。
もっとも、「野ブタ。」を実際やるコトになるかなんて、
分からないんですけどねー。