
舞台は和歌山県の日高川と道成寺に纏わるお話、安珍清姫物語。永遠の課題、男と女の恋物語。いや、悲恋の物語であった。
能、歌舞伎、浄瑠璃の演目で『道成寺』が登場する。
蛇に指をさすと腐ると、だから、友人にその指を切ってもらう呪(まじない)をしてもらった。大人になって人を指さすものではないと教えられた。幼かったら、誰かに指を切ってもらう呪(まじない)をしてもらったようだ。
女の「嫉妬心」を蛇のたとえに、女を怒らせたら怖いと、だから、おんなの心をもてあそんではいけないと、教えられていた。
説法では、人にはまごころで接しなさいと教えられた。
「毎年、奥州(福島県白河市)から安珍という若い僧(山伏)が
熊野那智の滝権現の神様に1泊の予定でお参りに来る。
今年も若くてハンサムなお坊さんの安珍がお父さんが経営する宿、清姫の宿に来た。
清姫はひとめぼれして、若いお坊さんを好きになり、深夜、女だてらに夜ばいをかけて安珍に迫る。
清姫さまはこんなところにお出でになってはいけません。清姫は安珍の部屋を出ようともしません。
昔は、お坊さんは結婚は許されなかったが、安珍は、仕方なく、清姫を部屋から出そうと清姫に嘘をついた。
「明日、那智の神様にお参りした後は、必ず、清姫の待つ宿に戻りますから」と純粋な清姫に嘘をついた。「必ずですよ」
翌日、清姫が待つても、待っても安珍が戻りません。
「もし、お尋ねしますが、背の高い色白で若いお坊さんを見かけなかったと清姫が峠を通る人に尋ね歩いた」
「そんな若いお坊さんなら、もうとっくに通り過ぎましたよ」
まさか安珍さまは清姫との約束をやぶり、宿を素通りしたのか、清姫は安珍さまの後を必死に追った。
日高川に着くころ、遠くに安珍さまを見つけた。「安珍さま!安珍さま!」と叫んでも安珍は知らぬ顔。
安珍は、舟頭達に若い女に追われているから、決して舟に乗せないように言っておいた。「おのれ安珍!」 清姫は川に入り安珍を追った。
清姫は半身大蛇となっていることも気をつかず口から炎を吐き、竜となって必死に安珍を追った。安珍は遠くに見える道成寺を発見、舟を降り駆け足でその寺に向かった。
長―い階段を上り本堂に着き、住職に相談した。私は恐ろしい女に追われている、どこか私をかくまって欲しいと頼んだ。
思案の末、住職と僧たちは、釣鐘を下し、その中に安珍を隠した。
恐ろしい竜と化した清姫は寺中探したが安珍が見つからず、ふと釣鐘から、わらじの紐がはみ出ているのをみつけた。
おのれ安珍、釣鐘をぐるぐるに巻、口から炎を吐き恐ろしいこの世のものとは思えない恐相で安珍を焼き殺した。
寺の住職や鼓童は恐怖のあまり震え上がった。
その後、清姫は日高川に戻り入水自殺したという伝えです。
道成寺に釣鐘がないのは?清姫に焼かれたから、ピンポーン。
一時は、京都から新しい釣鐘を持ってきたが、釣鐘の音が清姫の呪の音と近隣の方に不評だったとか、道成寺には今も釣鐘がない。
道成寺のみやげ売り場に、あずきアンがたっぷり釣鐘饅頭が売っている。