文=中森勇人
歓迎会や花見の季節到来で酒席が増えるこのシーズン。たまには気分を変えて「上質なワインを飲みたい」という方も多いことだろう。そんな方の心強い味方が地場のワイナリー(ぶどう酒醸造所)だ。
前号でも紹介した大阪南部に位置する柏原羽曳野地域は、100年以上の歴史を持つワインの産地。この地で創業80周年を迎える河内ワインでは1本2000円という価格帯にもかかわらず、好調な売れ行きを見せている。同社の金銅重行社長(35)は、「大手さんと張り合っても価格競争に巻き込まれるだけだし、利益率も低い。だから、うちは口コミ重視で直販に力を入れています。派手な宣伝や営業活動は一切していません」と語る。
金銅社長が同社を継いだのは、10年前のこと。それまでは大手メーカーで営業をしていたが、先代が病に倒れ、急きょ4代目当主となった。
「バブル期や景気が良かったときは、大手メーカーがローリー車を横付けして直接買い付けていましたから、造れば売れるというような時代でした。しかし安い輸入ワインに押され、大手からの受注は激減。じり貧状態に陥りました」と当時を振り返る。
そこで金銅社長がとった作戦は、サラリーマン時代の経験を生かした自社ワインのブランド化であった。つまり脱下請けをはかるため、従来の流通からワイナリーでの直販に踏み切ったということ。ショップやワイナリーの見学コース、レストランなども完備し、ミニテーマパークのような仕掛けをつくった。
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