
このギターも1970年代の物
フェルナンデスのFST80で通称石ナンデスと呼ばれていた頃の物です
このギターは元々一緒にバンドをやっていたワンパさんというベースの方の物でした
当時22歳、毎週末ライブハウスで演奏していた私は次第に飽きて、そのライブハウスで飛び入り歓迎セッションをやるようになりました
それは、その日のお客さんとぶっつけでセッションするというもの
もちろん楽器の出来るお客さんがいつもいるわけでは無いのでマイギターは持っていきません
その時ライブハウスに置いてあったのがこのギターだったのです

ワンパさんはライブハウスのマスターと同級生で毎週末お酒を飲みにきてはこのギターで弾き語りをしていました
まぁとにかくこのギターは3角ネックでシックリと手にフィットしたのです

私はどうしてもこのギターが欲しくなりワンパさんに譲ってほしいと交渉しましたが、あっさりと断られました
「弾きたい時はいつでも弾いていいけど譲ることは出来ないなぁ」っと・・・
その後マスターのアイディアで一緒にバンドをやることになり、そこから私とワンパさんのバンド人生は20年共に過ごすことになりました
とにかくワンパさんのベースはゴムまりのようにバウンドするんです
日本人のビートと言うよりも黒人のビートに近いんじゃないかな
私がもっとも尊敬するミュージシャン
本人はただ気持ちよく弾いているだけと言いますが、それこそが素晴らしい!
なにも意識せずに気持ち良いビートが刻めるってのは生まれ持った才能です
何百回と一緒にステージに立ち、一緒にテレビ、ラジオにも出演、時には一晩ずっと音楽について語り合ったり
そんな素晴らしい才能を持った人と20年以上一緒に音楽がやれたことが私の誇りであり私の宝でもあります
話がちょっと脱線しましたが、そんなワンパさんが
「20年なかよしくんと一緒に音楽をやってきてずっと見てきたけど、いつも全力で音楽に向かい合い、バンドに対して常に本気な態度には尊敬するよ、このギターを貰って欲しい」と言われました
そして20年後に私の手元にこの石ナンデスはやってきました