世界的ベストセラー『七つの習慣』の著者、フランクリン・コヴィー博士。彼は、ビジネスで成功し続けるための原則を研究し、この本を執筆しました。しかし、実はこの「七つの習慣」は、ビジネスの世界だけでなく、中学受験の成功にもつながる普遍的な法則が隠されています。
今回は、彼の提唱する「七つの習慣」とは真逆の、成績を下げ、中学受験を失敗に導く「七つの悪習慣」について解説します。
これらは、受験生本人だけでなく、保護者の方にも当てはまることが多いので、ぜひご自身に照らし合わせてみてください。
第1の習慣「主体的である」の真逆:勉強を「耐え忍ぶもの」と捉える
第2の習慣「終わりを思い描くことから始める」の真逆:ゴールをイメージしない
「中学受験で何を達成したいのか?」という明確なゴール設定を怠る。偏差値や周囲の意見に振り回され、本来の目的を見失ってしまいます。お子さんにとって「本当に良い環境とは何か?」という本質的な問いを忘れ、「少しでも偏差値の高い学校へ」という欲や不安にかられてしまうのです。
第3の習慣「最優先事項を優先する」の真逆:優先順位を考えない
『七つの習慣』では、人生における「重要なこと」と「緊急なこと」を区別する大切さを説いています。この悪習慣を持つ人は、受験という「重要なこと」よりも、ゲームや動画視聴といった「緊急ではないが楽しいこと」に時間を費やしてしまいます。合格という最優先事項のために、何をあきらめるべきかという自己規律が欠けているのです。
第4の習慣「Win-Winを考える」の真逆:周りを引きずり下ろそうとする
自分だけでなく、相手にとっても利益がある「Win-Win」の関係を築くのが、コヴィー博士の提唱する原則です。しかし、この悪習慣を持つ人は、「自分がうまくいかないなら、周りも失敗してほしい」と、他人を引きずり下ろそうとします。これでは協力関係は築けません。むしろ、「一緒に合格を目指そう」と考える方が、お互いのモチベーションを高め、結果的に成績向上につながります。
第5の習慣「まず理解に徹し、そして理解される」の真逆:誰も信じない
相手の意見を「まず理解する」ことから始めるのが、コヴィー博士のコミュニケーションの原則です。しかし、この悪習慣を持つ人は、「自分以外は誰も信用できない」と、塾の先生や家族の意見に耳を傾けません。これでは、的確なアドバイスやサポートを得ることはできず、協力者との関係を自ら断ち切ってしまいます。
第6の習慣「シナジーを創り出す」の真逆:自分のやり方に固執する
「シナジー」とは、複数の要素が組み合わさって、単独では生み出せない大きな力を発揮することです。しかし、この悪習慣を持つ人は、自分のやり方を変えず、他者のアドバイスや塾のノウハウといった新しい要素を取り入れようとしません。結果として、自分一人で抱え込み、大きな成果を生み出す機会を失ってしまうのです。
第7の習慣「刃を研ぐ」の真逆:被害者の立場に立つ
『七つの習慣』では、心身を定期的にメンテナンスし、「刃を研ぎ続ける」ことの重要性を説いています。しかし、この悪習慣を持つ人は、「塾が悪い」「先生が悪い」と、他人のせいにしてばかり。自分の状況を改善するための努力を怠ります。問題から目をそらし、他者を批判することで一時的に気が楽になるかもしれませんが、それでは根本的な解決にはなりません。
受験は、成功しようとするよりも、「失敗しないようにする」ことが最重要事項です。これらの「七つの悪習慣」を断ち切ることから、失敗する可能性を低減することで、お子さんの受験成功への道は開きます。何か一つでも心当たりがあれば、今日から見直してみませんか?