塾業界を〜〜〜〜〜〜っぶっこわーす♡

中学受験を戦う皆さん、そして保護者の皆様。
誰もが頼りにする指標、偏差値。この数字を鵜呑みにし、「安全圏だから大丈夫」と油断していると、思わぬ不合格を招く危険性があります。特に、ハイレベルな母集団を持つSAPIX(サピックス)生にとって、あなたの見ている偏差値は、地理学のメルカトル図法のように、特定の領域が歪んで表現された「歪んだ地図」かもしれません。


1. 偏差値45が30台後半に落ちる、恐るべき「過去問軽視」の罠 

SAPIXで偏差値45を安定して取れている生徒が、偏差値30台後半の学校に不合格となるケースは、決して珍しくありません。この失敗の最大の原因は、「偏差値で舐めて、ろくに過去問を解かない危険行為」です。

合格に必要なのは「得点力」
「この学校は簡単だから、基礎学力で押し切れる」という過信は致命的です。入試は学力テストであると同時に形式テストです。

 形式への不慣れ: 各学校には、独特な出題傾向、特殊な解答形式、そして時間配分があります。過去問演習を怠ると、学校独自の「癖」に対応できず、実力を発揮する前に時間が足りなくなります。安全圏とされる学校であっても、形式への対策がなければ、その得点力不足から足元をすくわれることになります。



 凡ミスの誘発: 高い基礎力があっても、本番特有の緊張感と形式への不慣れが、取るべき問題を落とす凡ミスを連発させます。過去問は、この「得点力(点を取る技術)」を磨くための最重要教材なのです。


ここまでは、過去問をしっかりやり込んで臨まなかったことに起因する不合格要因ですが

この後のお話は、「偏差値に潜む罠」がテーマになります。

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2. メルカトル図法が示す「歪んだ偏差値地図」の正体

我々が日常でよく目にする地図といえば、このメルカトル図法ですが、そもそも、立体の地球を無理に平面に描き出すわけですから、無理があるんです。メルカトル図法の場合は、地図の端の方を拡大して描いているので、地図の中心から離れれば離れるほど、距離が歪んでいるという性質を持ちます。

SAPIXの偏差値は、優秀な生徒が集中する特殊な母集団の中で計算されるため、メルカトル図法のような「歪み」を生じさせ、実際の学力差とは異なる表現がなされます。

A. 上位層の「過度な拡大」

メルカトル図法が方位を正しく保つために極地を拡大して描くように、SAPIX偏差値は最上位層の競争を過度に拡大して表現します。偏差値65と偏差値70の間は、実際の点数としてはわずか数点の差しかありません。にもかかわらず、数字上は大きな差に見えるため、上位層の熾烈な競争が際立って見えます。


これが、毎年、上位校の50%合格偏差値に到達していない子が過去問をやり込むことによって合格するというカラクリの正体です。

正直、偏差値65以上は、70も65も学力的に大差ありません。

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B. 下位層の「ぼやけ」と「押し上げ」のメカニズム

対照的に、下位層(低偏差値)では、異なる「歪み」が中堅層に影響を及ぼします。
 下位層による偏差値の押し上げ: SAPIXの最下位クラス(万年Aクラス生など)の生徒が、難易度の高いテストで低い得点を取り続けることで、全体の平均点が下がります。この平均点の低下は、平均点前後の得点を取る中堅層の偏差値を、実力以上に高く見せる(インフレさせる)要因となります。あなたのお子さんの偏差値は、下位層の存在によって客観的な水準より「甘めに出ている」可能性があるのです。

 学力差のぼやけ: 偏差値45以下の層は、テストの基礎的な問題で共通して失点し、得点帯が非常に狭い範囲に固まります。このため、偏差値30の子と偏差値35の子の間に実際の学力としては大きな差があるにもかかわらず、偏差値の数字がその差を細かく区別できず、「ぼやけて」見えてしまいます。さらに、SAPIX偏差値45の生徒が他塾の模試を受けても偏差値が変わらないケースは、客観的にも学力水準が中学受験全体の平均を下回る水準にあるという厳しい現実を突きつけます。

特に、たま〜に偏差値45を取ったり、40になったり、30台に突入したりという偏差値の乱高下が激しい50台に到達していないSAPIX生は、下位層に定着してしまっている層の影響を受けて、偏差値が高見えしていると思った方がいいですね。

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毎年、自分の偏差値を過信して、1月入試の準備を怠って、偏差値45の子が偏差値30の学校を不合格になるんですよね。

ここで失敗するとメンタル的に立て直しきれないケースも多いので要注意ですよね。


結論:数字ではなく「得点力」を見よ
偏差値という「歪んだ地図」に惑わされてはいけません。高い偏差値に安心したり、低い偏差値に絶望したりするのではなく、偏差値が持つ「歪み」を冷静に理解しましょう。

真に頼るべきは、志望校の過去問です。過去問という「その学校専用の正確な地図」を手に取り、形式と難易度を把握し、基礎力と得点力を地道に高めていくことこそが、合格への唯一の道です。