私も出版されたばかりの頃に読みましたが、私の個人的な感想としては
これ、出版して大丈夫か
でしたね。特に小3の件。あーやっぱり、こういう授業してたのねー。まあ、在籍してたときからうるさかッたしねー。
国語の授業の進め方については何が正解かというものが確立されてないので、SAPIXの小3国語のやり方が間違っているというつもりはまったくないんですけどね。合う子と合わない子がはっきり分かれるだろうなーとは思います。
私の感覚だと、ある程度優秀な子でないと何にも読解問題の解答能力は上昇しないだろうなと感じます。
さらに別の塾と併用をしても、SAPIX小3国語の授業があまりに独特なので、他の塾の授業と親和しにくい。
結果、SAPIXの月例テストの偏差値がどんどん下がる。というスパイラルが起きるだろうなと。
SAPIXに小1、小2から在籍している子よりも小3から入塾してきた子の方が優秀ということはよくありますから、一旦、小3で篩にかける意図があるかもしれませんね。知らんけど。
個人的には小3までは公文でしっかり基本を固めた方がいいと思っています。
では、私がSAPIX小3国語の授業に否定的であるポイントを以下に延べて行きます。
1、国語の授業の受け方の躾が弱い
2、言いたいことを言う発言祭り
3、形無し
国語の授業の受け方の躾が弱い
見ていると、自信満々でなんでもすべて挙手し、合っていようとまちがっていようと答えるチャンスを逃さないチャレンジャーもいれば、ムードメーカータイプでまちがっても受けねらいする子もいる。そういうタイプは男の子に多い。(SAPIXの国語から引用)
楽しそうな授業だとは思います。ただ、読解問題の解答の基本は客観的な視点で文章を読み進めることと、本文中から解答の根拠を見つけることです。
合ってても間違ってても、とりあえず答えるという授業の受けさせ方だと力は一向につかないどころか主観的な読み方、いわゆる読書読みの習慣化に繋がります。こうした授業の影響で客観的な視点が養われないと、読解問題はどんどん取れなくなりますね。
言いたいことを言う発言祭り
(先生は)それから「ほかには」とさらなる答えを言わせようとする。その都度、挙手する子だらけ。一回発言した子も、また違うことを思いついて手を挙げる。もうみんなわれ先に言いたがって夢中だ(SAPIXの国語から引用)
まあ、小3の国語なんて超難しい授業です。私もできればやりたくないですよ。だって精神年齢がバラバラですもん。学校で大切なものをなくして、放課後もずっと探していたものが見つかって、主人公が涙を流しても
みたいなことを真面目に言う子とかいますもん。
みたいなことを言う子は日常茶飯事ですしね。
そして、この理屈に影響されてしまう子もいるんですよね。そうすると読解問題の解き方がなかなか養われません。
学校の授業ならまだしも、中学受験の準備のための授業で、挙手による発言をたくさんさせるのは微妙だなーと。そして、国語が苦手な子はだんだん手を挙げなくなるか、ウケ狙いに走るかでしょう。読解問題の解答に必要なトレーニングのために頭を使わなくなるでしょう。
形無し
つまり、本来は正解にたどり着く形を身につけるための時間なのに、形にはめていない授業なんですよね。
本書のなかには「自尊心を大事にしている」とか「意欲を高めるために」とかそれっぽい言葉がでてきます。まあ、形にはめると一部の保護者から文句がでてくることもあるので、最近は塾もやりにくいんだと思う所あるんですけど。
すでに形がある程度できている子というのがいます。塾に行かずとも十歳ぐらいまでの日常生活の中で、ものの考え方、語彙力なんかは鍛えられるので。そういうご家庭向けの授業かなと思います。
国語力の基盤は十歳までにある程度鍛えておかないとその後、なかなか埋められませんからね。そういう意味で、上位層向けのスタンスは変わらないんでしょうね。
自分の子供が、凡人だと理解して、その子の能力に合わせた学習を進める方が結果的に中学受験で成功をします。家庭教師や個別指導をつけまくって、「SAPIXの偏差値を上げてください。」はめちゃくちゃ愚かなことだと私は思います