塾はサービス業なんです。

何を今更…と思われる方もいるかもしれませんが、わかっているつもりでも本当にサービス業として認識できていない方も結構多く出会います。


勘違い1

塾は勉強をできるようにさせるところではない。

サービス業なんですから、サービスを提供するだけです。塾のサービスとは授業を決められた時間行うという事です。できるようにさせる契約上の義務はないということ。

ラーメンが不味いからといって料金を払わないのは窃盗(食い逃げ)になりますし、ラーメンが不味いとクレームをいれたところで、改善するか否かは店側の問題。客側は行くか行かないかを決めるだけ。これと同様です。


勘違い2

塾講師は教育者ではない。

塾は学校でなく営利企業です。そして塾講師はサービス業に従事するサラリーマンです。下手するとアルバイトです。教育者ではないので、一部の生徒を特別扱いします。特別扱いする基準は「たくさんお金を使ってくれて売上貢献してくれる家の子」と「能力が高く合格実績貢献してくれそうな生徒」この2つの基準での特別扱いはどこの塾でも鉄板です。


勘違い3

大きいから良い塾、有名だから良い塾ではない

規模が大きい塾というのはそれだけ利益がでているということです。早稲アカやリソー教育、ステップ、enaなどは東証プライムに上場していますから知名度は高いですが、それは収益が安定しているということに過ぎません。それ以上でもそれ以下でもありません。

もちろん、全ての大規模学習塾は「いい塾」風に装いますが、規模の大きさでいい塾だと判断するのは危険です。また、難関校の合格実績が多いと有名になりますが、これも同様で、塾生が難関校にたくさん合格しているだけに過ぎません。生徒の成績をしっかり伸ばしている証拠にはなりません。


勘違いをすると…

めんどくさい親だな〜

早く辞めてくれないかな~

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と塾側に嫌われるだけです。こういうご家庭から退塾の申し出があるとガッツポーズをする職員もいます。さすがに偉い人の前ではしませんけどね。


規模の大きさや知名度で勝手に期待して入塾し、成績が上がらないと文句をつけて、塾側に特別な対応を要求するが、生徒の能力は大したことがない上に金払いも悪い。こういうご家庭はほぼ確実に嫌われます。そして結構見かけます。

塾は学校ではないので、特別な待遇をするのはめちゃくちゃ金払いがいいか、めちゃくちゃ優秀かどちらかの場合だけです。

後は顔が広くて何人も生徒を紹介してくれる人。もちろん紹介される人は面倒くさくない人に限ります。


私が社員時代にはこういう面倒な人はTK生という区分をしていました。テイカー(収奪者)の意味で、チームで共有して対応に時間をかけないようにしていました。そしていつやめてもいいように、TK生の人数分の新規生を集客していました。TK生はやめても悪評になりにくいんですよね。地域のいろんな人に嫌われているか、地域のネットワークに参加していないことが多いので。

逆に辞めたことで入塾してきてくれる家庭もあるくらいです。多分、似たような管理をしている校舎はたくさんあると思います。


そして最大の勘違いは…

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うちは月に4万も授業料を払ってるからな。

まあ、太客だろう。だからもっと特別扱いを求めても良さそうだな。

これが一番イタイんです。集団指導型の塾だと各種特別講座をガッツリと受講してくれる人が太客なんですよね。普通に授業料を払ってるだけじゃ普通です。

自分の金銭感覚ではなく塾側の視点で考えないとイタイだけです。コレ、集団指導型の塾よりも個別指導指導塾だとよりシビアです。

大抵の個別指導塾だと生徒1人あたりの平均受講数のような営業成績指標があリますからね。週あたりか月あたりで算出します。だいたい、週2回か3回が会社側が定める目標ラインになることが多いので、週1回しかこない生徒はそれだけお荷物になる仕組みです。


こう考えると、大して金払いが良いわけでも、子供が優秀でもないのに、一生懸命対応してくれる講師や社員はいませんか?電話で長々とあなたの相談に乗ってくれる人はいませんか。これって、その人の親切心なんだと思います。それを「こっちはお金払っているんだから」という態度ばかりしているのは、その人の親切心を踏みにじることですよね。その人の気持ちが折れたら、塾に通っていても、お子さんを誰も気にかけないようになってしまいます。それではお子さんが可哀そうですよね。