集英社online記事

https://shueisha.online/newstopics/154326 






今回の四谷大塚講師による会員児童盗撮事件について、四谷大塚さんの対応の稚拙ぶりを感じています。
事件の構図として、たまたま紛れ込んだバカが悪事を働いただけで、四谷大塚にはいい先生もいっぱい居るという捉え方しては危険かなと感じています。これは少なくとも校舎の運営管理の問題が原因だと思います。そして校舎レベルの運営管理を監督できていないという点で会社組織の危機意識のなさが遠因ではないかと思います。

なんかズレてると感じてしまいます。

モニタリングシステム?

この元講師Mが盗撮を行っていたのは授業中だけではなさそうです。補講に呼び出したり、授業後に塾内に残らせたりして盗撮をしていたこともあったようです。教室内だけをモニタリングするだけで再発防止になるのか。まあ、ないよりはあったほうがいいけど。
これを再発防止策の一番に持ってくるあたりが、わかっとらんなーと思いました。

採用時の厳格選抜?

できんの?これ、どこの塾もやりたいと思ってるし、心理分析や性格診断なんかは、大手はだいたい導入してる。ただ、厳正な試験をパスした国家公務員や身上調査をしている警察官でも不祥事は起こしていますよね。採用時にバカを完全に弾くのは無理でしょ。

組織自体がバカなの?

上記は事件が明るみに出た際に、四谷大塚から出された文書。今はHPからは削除されたようで確認はできませんでした。塾長名で出している文書ですね。塾長という役職名は一般企業の方には馴染みがないでしょうが、その学習塾の最高責任者を指すことが多く、社長と同義で使われたり、場合によっては社長より上位の役職であったりする役職です。おそらく四谷大塚においては、ナガセグループの中学受験部門の最高執行責任者のような立場だと理解しています。
そんな偉い人の名前で出す文書が「お知らせ」って(笑)四谷大塚に通わせている保護者は校舎関係なく全員が不安を感じているわけですから、「安心して通わせていただけず、すいません」の意味で「お詫び」にすべきだろと思いました。さらに、この偉い文書がHPからすぐに消えてしまった点も粗忽さを感じていますね。
内容についても「関係者に対するお詫び」に終始していて、他の生徒や保護者に不安を抱かせてしまったことへの言及がなく、配慮の浅さを感じてしまいます。中学受験なんて、子供や保護者感情への配慮が大前提なのに、会社として、こんな配慮なくて、学習塾サービスの質は大丈夫なの?と思ってしまいます。まあ、だからピンボケした再発防止策を提示してしまうのかなーという印象です。

恥の上塗り校舎長

以下集英社onlineの記事より転載〜

8月10日、Mが所属する四谷大塚の教室の校舎長が取材に応じた。取材にはMが同席しており、校舎長は事実関係をある程度把握しているかと思いきや、こちらの取材に対しては椅子をひっくり返さんばかりに驚き、狼狽するばかりだった。
「取材? ええっ!ええーっ! 何名の被害者が? ええーっ。特に被害者の方から本校に問い合わせはありませんでしたが……。私も今初めて聞いて、寝耳に水です。被害者に対する謝罪やMの処遇については本部とすぐに協議して対応します。Mは社員になって2年ほど経ちますが、当たり前ですけど、常識的に考えれば普通はそんなことやらないわけで……。
ちょっと今頭が混乱しておりまして、すいません。お預かりしているお子さんの安全を第一に考えなきゃいけないと心がけているのですが……。すいません。まったくわかりませんでした。私自身の気持ちとしては被害者の方たちにお詫びしてもお詫びしきれないという気持ちです」
同日夜8時ころ、Mは複数の警察官に付き添われて校舎から姿を現し、警察車両に乗り込んだ。

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世間知らずすぎるという印象ですね。この手の取材は基本的に何を答えても「会社としての発言」に取られてしまいます。まあ、会社の与えた職責に対する取材なんで。普通は校舎長レベルでは取材受けません。
「取材をお受けするか否かを判断する権限が私にはないので本部に直接お問い合わせください」的なテンプレ回答をするはずのところを応じちゃってる。
内容から察するに、この校舎長はいい人なのでしょう。いい人故に「信じることと疑うことを両立させること」というマネジメントの基本ができていなかったのではないかと思います。いい人だけでは生徒は守れないんですよね。
はっきりいうと、この校舎長が「教室で生徒と講師が一対一にならない」というルールや「教室に私物、特に情報機器を持ち込まない」というルールなど、どこの塾でもやってることを厳格に守らせていれば、この事件は起きようがなかったはずです。

再発防止策は

四谷大塚さんの1丁目1番地は管理職への危機管理教育じゃないでしょうか。多分、四谷大塚さんも、生徒と教室で一対一にならないとか、情報機器の教室への持ち込みは厳禁とか、ルール自体は存在していたと思うんですよね。全国学習塾協会が呼びかけてるルールですし。ただ、運用する側がルールの意図を理解してないから、ルールが画餅に帰す結果になり、こんな胸糞事件につながったのではないかと思います。
私達塾講師は子供を保護者から預けてもらっているということを忘れてはいけないと思います。