国語の読解問題は中学受験の要ですが、思うように得点ができない、改善のために何をしていいかわからないという悩みを持つ方が多い分野です。

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さて、読解問題が思うように得点できない理由は、大別すると次の5つです。


1、文章を正確に読んでいない。

2、文章を読むスピードが遅い。

3、文章の意味がわからない。

4、設問の意図を把握していない。
5、設問の答え方が身についていない。

実のところ、学習塾で取り扱うのは主に4番と5番についての改善トレーニングです。塾側としては1から3の改善はご家庭でやるものだと認識しています。
また、授業時間が限られている上に、個人差が激しい項目でもあるため手を出せないという面もあります。
最近は少しカリキュラムが遅れただけでクレームを入れる保護者、試験前には必ず全範囲、塾で網羅されていないと気がすまないという保護者が増えているので講師も「成績を上げる」という意識から「文句を言われないようにやる」という意識の人が増えてしまっています。

  読文の精度と速度の向上

1は、お子さんの性格によりますが、書いてあることを読み飛ばすといった傾向のことです。ビックリするかもしれませんが、一行飛ばして読んでも違和感を覚えずにそのまま読み進める子というのが結構な割合でいます。
2も多いです。文章を読み慣れていないんですね。だから内容を理解しながら文を読み進める作業に時間がかかります。
1と2の改善法は極めて単純で「文章の音読」を繰り返すことです。結局、黙読も頭の中で音読をするわけですから、音読のスピードが上がれば黙読の速度も上がるという理屈です。しかし、いくつか留意しなければならない点があります。

  音読訓練の際の留意点

1つ目は小学校で推奨されるような、大きく、ハキハキと滑舌良く、時には気持ちを込めて文章を読み上げるような音読はしないということ。これ、スピードアップしません。できるだけ素早く読み上げることが大事です。多少滑舌が悪くても、通常よりやや早口に文章を読み上げることです。
2つ目は、音読した文章についてごく簡単な質問をするということです。登場人物の名前を聞くとか、天気や場所を聞くとか、説明文なら一段落目は何の話だったかといったレベルの簡単な質問です。これは、音読することだけに集中して内容が頭に残らないということを防ぐ意図の質問です。
文章を上手に読めないお子さんはこのトレーニングを繰り返すことで、黙読のスピードや精度が向上していきます。
文章を読むことが苦手だから読む時間がかかるんです。苦手な子を放っておいても自然にできるわけがありません。保護者の介助が必須です。

 同じ文章をお子さん用と保護者用で2つ用意して、お子さんが音読している文章をそばで保護者が聞くというやり方が効率的でしょう。

 上の本が早口ですらすらとよどみなく読めるようになったら音読は卒業です。


  語彙力が足かせになっていることも

ある程度スピードと正確性をもって文章は読めている様子なのに内容理解がイマイチというお子さん。これが3番に当たります。わからないことは恥という教育を受けているとわかったフリをしたり、わからないことことを隠そうとしたりするので発見が遅れてしまうケースが多いです。読解問題で点数が取れない子の大対数がこれに該当します。これは文章中にでてくる言葉の意味がわかっていないために生じる問題です。

つまり、文章を理解するために必要な語彙力が足りないんですね。


そういうお子さんにとって文章はこういうふうに見えています。ここまでになると周りの言葉や文脈からわからない言葉を推断することは不可能です。
ドリル形式の語彙力問題集をやったほうがいいでしょう。

 


語彙力が重症の子向けの超基礎

 ○意○夫

誰も考えつかなかったことを思いつき、実行するための方法をあれこれ試すこと。

○○○く

自分より優れていると尊敬の念を抱くこと

などがわからなければここからスタートしたほうが良いでしょう。

創意工夫 一目置く


 下の2冊は中学受験生は必須だと思います。

 

 

 

算数は得意だけど国語は…というお子さんの場合、語彙力に問題を抱えているケースが多いです。あるいは文章を読むことが極端に足りていないので上手に文章を読めていないかのいずれかです。


  塾では鍛えられない力

文章の精読力、速度、そして語彙力は家庭学習で身につけることが前提です。塾で扱うのは、設問に答える手法です。文章を読む力が弱い、語彙が少ないままで塾に通っても読解問題はできるようにならないのです