どこかの記事で言おう言おうと思っていたことですが偏差値60 Over のお子さんとそれ以外のお子さんで市販の問題集の使い方が大きく異なっています。特に算数です。言い換えれば偏差値60 Over のお子さん達には市販の問題集の使い方に共通点が存在します。

小学6年生の夏が終わる前は習っていない単元や習っていない事柄がいくつも存在している状態です。普通に考えると全ての単元を習った後に総復習の問題集をやるというのが一般的だと思います。

ところが偏差値60 Over のお子さん達の多くは小学校5年生後半ぐらいの時期から中学受験向けの総復習問題集に手を出しています
そして分からない所は全て付箋をつけて質問に行きます。
この際の質問が現時点の既習内容で解けなければいけない問題なのか、この先に新しく習う考え方を使って解くものなので現時点で解けなくても良いのかという内容なのです。

確かにこのやり方だと市販の問題集を使って自分が今習っている単元を何度も厚塗りすることができます。またまだまだ受験直前ではないので苦手単元に十分時間を割いて繰り返し様々な問題を編集することが可能になります。もちろん中学受験の偏差値60 Over の生徒の中には自身の理解力が小学生の中でかけ離れて高いという子供も一部混じっていますので全員がこの限りではありませんが、努力型の勉強を重ねて偏差値60 Over をキープしているタイプの生徒はほとんどがこのような質問に行ってきます。

考えてみれば全ての単元が終わってからでないと総復習の問題集をやってはいけないというルールはありません。様々な市販の問題集の中で自分ができるようにならなければいけない単元をピックアップしそれを繰り返し演習するというやり方はかなり効果が高いと私は思います。

基本的に市販の問題集というのは受験直前期の小学6年生に向けて編集されているものが多いのでこういう使い方をしないといつまでたっても市販の問題集でトレーニングすることができず、やっとこさ全ての単元が終了する小学6年生の秋口から総復習の問題集に着手するようになると過去問演習と相まって時間が取れなくなってしまいます。小学5年生のうちは小学5年生向けの中学受験の問題集をやるのでも構いませんが、基礎固め系の算数の問題集を上記のやり方で演習を重ねていくことは算数の実力を確実に固めていくと私は思います。

中学受験塾はその大半が集団指導型の学習塾です。保護者の方からしてみたら毎月 高い 授業料を支払っているわけですから、お子さん 一人一人の習熟度にあった家庭学習用の課題を講師の先生から出してもらいたいと思うのは至極当然な考え方だと思います。

ところが 集団指導型の学習塾では講師の側に保護者の方々の期待に応えるほどの時間的な余裕がありません。

ですから宿題は本社のカリキュラムを踏襲した内容のものを一律 出すということになってしまいます。

何が言いたいかというと保護者の方々は宿題をコントロールする視点を是非とも持っていただきたいと思います。受験は限られた時間の中で実力を伸ばしていかねばなりません。しっかりと理解できている単元や十分に頭に入っている単元をわざわざ何度も家で時間を使って学習するのは効果的ではないと思います。

また 塾講師の皆さんにおかれては、宿題をやって来なかったことで反応的に生徒を叱るのはやめましょう。

もちろんその子の能力向上に必要なことをその子がサボっているのなら 指導をしてあげる必要はあると思いますが、そもそも 熟知している分野の宿題であればやってこないという選択も生徒側の意思表示の一つだと私は思います。

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