フランクリン コヴィ博士
世界的ベストセラー「七つの習慣」の著者です。彼はビジネスの世界で成功し続ける法則を研究して、七つの習慣を書いたわけですが実はこの七つの習慣はビジネスの世界だけでなく中学受験の成功も導く習慣ではないかと思います。

今回は彼が提唱する七つの習慣をひっくり返して成績を下げる「七つの悪習慣」を述べたいと思います。結構当てはまります。お子さん本人だけでなく、保護者の方にも結構います。
無論ですが中学受験は皆さん失敗されてます。

1、耐え忍ぶ姿勢で学習を進める。
自分をすり減らして、「勉強は辛いもの」と決めつけて、とにかく耐え忍ぶ。精神力を削って我慢して、耐えたその先に合格という幸せが待っていると信じている。


これは講師側にも多いんですが、この巨人の星的な姿勢は中学受験には向きません。そもそも「できないことができるようになる」ことや「知らなかった知識を身につける」こと、「物事を腰を据えて考える」ことを楽しむ姿勢でないと無理が生じます。
中学受験は合格してからが勝負です。受かった後こそ、勉強をしなければなりません。

2、誰も信じない
結局、自分のことは自分しかわからない。だから誰も信じないし、自分だけしか頼れない。自分以外は全員敵と見なす。

この姿勢では協力者は得られないですよね。もちろん、結局は他人ですから依存してはいけませんが、協力者を得る姿勢がないと塾側も「文句を言われない程度」の付き合いしかしません。これは損をする姿勢だと思います。

3、自分の考えややり方に固執する
自分には自分のやり方があるという姿勢でアドバイスに耳を貸さない。自分のやり方や考えを変えない。


これって結局は自分のやり易いようにやってるだけの場合がほとんどです。塾側はデータを持っていますので、多くの上手くいくやり方を提示します。このアドバイスを全く聞き入れない姿勢では上手くいくものもいかなくなってしまいます。また、自分自身が間違った努力をして時間を無駄にしていても修正ができません。

4、周りを引きずり下ろす
自分が上手くいってないなら周囲も上手くいかないでほしい。自分より上手くいっているやつが気にくわない。なんとか悪い方に引きずり下ろしてやろうという姿勢。



塾や学校でのいじめ問題にも直結する姿勢ですよね。カンニングしてる奴が許せないというようなこともこの姿勢です。カンニングをしている奴は放っておけばいいんです。巡りめぐって損をするのはその人です。

周囲のことを気にせずに自分を高める姿勢でいる方がずっと成績向上のためになります。
また、意外かもしれませんが塾のクラスメートとはチーム戦のような感覚を持っている子の方が受験も上手くいきます。「一緒に合格目指そうぜ」という姿勢ですかね。

5、優先順位を考えない
受験に合格するために塾にいっているのにゲームや動画がやめられない。勉強の時間以上にそういう好きなことに時間を使ってしまう。

これは言わなくても分かる習慣ですよね。「うちの子ゲームを止めないんですよね。」面談で何度となく聞くセリフです。
これ、親が止めさせてないだけだと私は思ってます。止めさせようと思えばいくらでも止めさせられますよ。ゲーム機を壊せばいいんです。そして買い与えなければいいんです。合格のために何を優先するべきかは明白ですよね。

後はコレ。こっちは結構いるかもしれません。
これもまあ、時期によるんですがね。後は保護者の子供の分析と受験校の知識があれば効果的な場合もありますが、島津君のお父さんは自分の大学入試のやり方踏襲しようとしているので逆効果になっています。

6、ゴールをイメージしない
なんのために受験を始めたのか、親御さんが忘れてしまう。渦中で受験勉強を進めているうちに「少しでも偏差値の高い学校を」といった欲や「志望校の偏差値に全然届かない」という不安がそうさせます。
中学受験は我が子に公立にいくより良い環境を与えたくて始めたのではないのでしょうか。
どこかで「お子さんの学力に見合う、お子さんに合った」中学を探す時期がくるはずです。それでいいんですよ。



7、被害者の立ち位置にたつ
これをやってしまったらおしまいです。何も状況は改善されません。塾が悪い、先生が悪い、教材が悪い、勉強しない子供が悪い。気持ちはわかりますし、この立ち位置に立つと気が楽ですよね。


ただ、こういう考えに支配されて塾を転々とする方が結構います。合わないと思ったら転塾はアリですが、転塾を繰り返すのはよくありません。何かにつけてクレームをつければ塾は対応はしますが、親身にはならなくなります。
他人を動かすのではなく、自分がどう動けば状況が改善するのか。この姿勢がないと、ずっと同じ問題を抱え続けることになります。

七つの習慣を受験用にアレンジしたものですがこれらの悪習慣を立ち切らないと失敗は確実です。


受験は成功しようとするよりは「失敗しないようにする」ものだと思います。