TOPIX
□ ある日の面談
□ 突然ですがこの問題解けますか?
□ 工夫しない計算のもう1つの弊害
Pick article
ある日の面談
個人事業主として契約を結んでいる身なので責任者という立場ではなくなったのですが、出勤すると校舎の責任者から呼び出され
「緊急で申し訳ないがA先生(算数担当)の面談に同席してもらいたい。退塾がらみなんでできれば止めてくれないか。一時間分業務手当てをつけてもらって構わないから。」ということでした。で、面談に入ると
(担当の顔を立てつつ)
後半の図形の問題とか中盤のダイヤグラムを使う問題なんかはきちんと正解できてるじゃないですか。
確かに計算は壊滅してますけど、実力がなければ後半の問題は正解できないですし、計算問題が壊滅的なのに偏差値40前半って逆にすごいというか。
家に帰ってテストの問題を見返してもらった上で電話をしてもらうように頼みました。はい。悉く失敗していたようです。成績が伸びない原因がわかって、対処法もはっきりしたのでもう少し受験は続けてみるという格好で終わりました。小3から担当していた算数担当はろくにテスト問題も見ず、計算問題をミスっているんだからケアレスミスだよな~ぐらいの認識で、ずっとケアレスミスさえなくなれば…というトークをしてきたみたいです。お母さんからの信頼は0どころかマイナスでしょう。
Pick Item
突然ですがこの問題解けますか?
制限時間は90秒です。
6+66+666+6666+66666=
SAPIXオープンで出題された問題なので解法を既に知っている方も多いかもしれませんね。
いきなり計算問題に取りかかってはダメなんです。どうやって簡単に解けるかな~と解答の方針を立てるところから始めます。
普段から速くやれ速くやれと声かけしていると方針をたてずに正面突破をしてしまいます。子供は方針を立てようと考えている時間を無駄だと感じてしまうものです。
今回は6がたくさん並んでいるので6でくくるといいかもしれないとピンとくるようにヒントが出されています。
6×(1+11+111+1111+11111)=
という式に直すことができますね。
( ) の中を足すとなんと12345になります。
6×12345=74070
これを正面突破でいこうとすると途中でミスるかミスをしなくても5分以上時間がかかってしまいます。そもそも正面突破をしようとする子は急いで計算問題を解かなきゃいけないという強迫観念に近いものを持っています。
正面突破を仕掛けて予想以上に時間を食うと勝手に焦ってミスを誘発します。
工夫しない計算のもう1つの弊害
中学受験の計算問題は基本的に工夫することが大前提です。正面突破は前述の通り、無謀な突撃でしかありません。
そして、工夫にはパターンがあります。等差数列に持ち込むのか、分配法則を使うのか、結合法則を使うのかなど、まずは自分が使えるパターンの数を増やすことが大切です。
しかし、パターンを増やすだけではダメです。
毎回、計算問題を解く度に工夫をすることで自分の知っているパターンをアウトプットする練習になります。このアウトプットの練習をしないとせっかく覚えたパターンも使いこなせず、そしてそのうち忘れます。
だから工夫をしようと方針をたてる作業が大切なんです。最初は時間がかかるでしょう。ここは時間をかけるべきところです。ここを急かしてしまうと子供は正面突破をするようになります。そしてそれは合格から遠のく行為だと私は思います。