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語彙力についての話です。
今の日本では普通に生活をしていても語彙力は鍛えられないと思います。
分かりやすさを優先した生活が定着していますからね。「分かりやすくない」が批判の対象になる世の中です。調べたり、考えたりさせるものが子供の周りからどんどんなくなっているので無理もない話です。
小学生の語彙が年々低下しているという話は毎年言われています。塾で指導をしていてもそれを感じることが多かったです。
そして子供の語彙については大人はあまり気にしません。子供も意味がわからない言葉を大人が使っていても流してしまうことが多いからでしょう。
●先日の同僚と小6生徒のやりとり
生徒「先生、質問があります」
同僚「すまん。いま、ちょっと『てんやわんや』だから、後にして」
生徒「……」
同僚「何? 授業後に質問受けるから」
生徒「でんやがんやって何ですか。」
この場合は同僚と生徒の人間関係がしっかりできていたので、生徒はよくわからない言葉の意味を聞いてみようと思ったでしょうが、あまり親しくない大人の場合は、スルーしてしまうでしょう。
語彙力は大人、特に両親や年上の兄、姉との会話で磨かれていくものですが、両親の帰宅が遅く、会話する機会が少ない、少子化が進み兄弟姉妹が少ないという日本の状況が子供の語彙力低下を招いています。
中学受験ではそういう部分をわかっていて「しっかり語彙力が鍛えられているか」を見る学校が増えています。
中学受験の読解に出題される文章、特に論説文は語彙力がないと意味が三割程度しかわからないでしょう。
また、我々は日本語で思考をしますので語彙力が弱いと深い思考をすることができなくなってしまいます。
毎日時間をとって語彙力を意識的に鍛える必要があると思いませんか?