ゴールデンウィークが終わると多くの塾は面談期に突入します。大体が5月の下旬から7月の上旬に面談が行われるのが通例です。

この時期に

★ 小6夏前の塾面談にむけて

☑️塾にカモられないでください。

☑️塾講師には適当に面談します。

☑️志望校選びこそ保護者の腕の見せ所

●塾は親身にはならないと思いましょう

●3月4月の模試の偏差値で志望校を決める

●複数回入試は全日程受けきる

●塾の煽りトークを信じない

●塾が夏前の面談で現実的な話をしない理由


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なぜ合不合偏差値38でも受験した方が良いのか 



 

中学受験の失敗学~志望校全滅には理由(わけ)がある~ (光文社新書)

「中学受験の失敗学」

 受験雑誌に載らない、塾も教えてくれない裏事情。中高一貫校への幻想、無謀な学習計画、無理な目標設定…。失敗例から学ぶ合格のコツ。


志望校選びの前にご一読ください。

良書です。


小6の中学受験生はそろそろ塾の担当者と志望校に向けた面談をする時期を迎えます。

一般的には5月の下旬から7月の中旬ぐらいの期間を面談期間に充てる塾が多いです。ここで志望校についての面談を行います。


●塾は親身にはならないと思いましょう。

所詮は他人の子供のことです。すべて塾におまかせとすると適当に扱われるか、鴨にされて終わりです。

塾の担当者は非常に多くの生徒を抱えていますので、一人一人の志望校選定について丁寧に考えるだけの時間はありません。

また、稀に「塾の先生は学校の細かいところまでを熟知している」と勝手に幻想を抱かれる方々がおられますが、所詮は幻想です。過去問については精通している講師はソコソコいますが、後はネットや書籍、パンフレット等で手に入る知識程度のことしか知りません。

過去に「え?塾の先生なのに学校説明会に行ってないんですか?」と非難されたことがありますが、御三家レベルの最難関校や地域の人気校なら話は別ですが、正直全部の学校の説明会に参加できるほど時間的な余裕はありませんし、残業扱いにもしてくれません。

塾の先生も皆さんと同じ労働者なので、労働時間は1日8時間以内と決められていますし、月の残業時間の上限も皆さんと同じ45時間未満にするように法律で決まっています。

働いている組織にもよるのかもしれませんが一般企業同様、削れる残業はやらせません。

そもそもが自分の子供の志望校ですので「うちの子はどこを受けたらいいんでしょうか」といった姿勢で面談には臨まないで下さい。


●3月4月の模試の偏差値で決める

酷な言い方かもしれませんが、小6の最初の段階で受けた模試の結果から大幅に偏差値が上がることはあまりありません。お通いの塾の模試の偏差値を参考に志望校を決めてください。

目標校は偏差値+5、滑り止めは偏差値-5の範囲で決めると良いでしょう。多くの場合、冬になってもお子さんの偏差値は±5の領域から出ないです。

この範囲で校風や学校の制度などを元に志望校をいくつか決めておくと良いでしょう。夏の時点で状況が好転したら(偏差値48が51になったなど)上がった偏差値の±5でもう一度志望校選定しなおすだけです。ただ、偏差値帯域が大きく変わるわけではないので、志望校もいくつかは最初に選んだものと同じ学校がでてくるはずです。


●複数回入試は全日程受

基本的に複数回入試をやっている学校は全日程を受けると合格に有利に働くことが多くの事例で確認されています。

もうだめだと思ったけど三回目で拾われた」という合格者コメントは枚挙に暇がありません。


複数数回入試の日程を考慮すると受験校は絞る方がいいと思います。よく10校以上の学校を志望校にあげてこられる方がいますが、過去問をやることも考えると受験学校数は10未満に抑えることオススメします。私の理想は5~6校です。


●塾の煽りトークを信じない

塾は営利企業です。生徒=売上です。これは学習塾が会社組織である以上そういうものです。

生徒がやめてしまうということは売上が減るということなので、辞めないように仕向けます。

対保護者の面談を任されている講師はこの辺りをちゃんとわかっている講師です。昔ながらの職人気質で事実を正直に伝えてしまう人は面談の主担当から外されます。ですので面談では多分に「辞めさせないトーク」が含まれることになります。

●辞めさせないトーク事例

◯月の模試は失敗しているようですね。この偏差値を基準に考えるのは止めましょう。◯◯さんはもっと実力のある子だと思いますので志望校はもっと上を狙いましょう。


うーん。今はまだ頑張りが成績に繋がっていないみたいですね。でもこれから夏ですから。夏は受験の天王山です。夏の頑張り次第で成績は劇的に変わりますから。9月の模試の結果をみて具体的な志望校を決めましょう。


とにかく算数をあげましょう。算数さえ上がればもっと上の学校を狙えるはずです。夏は徹底的に算数を鍛えていきましょう。まだまだこれからです。


この三つは塾の使う典型的な「辞めさせないトーク」です。夏はみんなが頑張るので、夏を経て成績が低迷する子はいますが成績が急上昇する子はあまりいません。

マラソンで考えてください。夏は全体のスピードが上がる時期です。そのスピードについていけなければ成績は簡単に下降します。しかし全体のスピードが上がっている中でごぼう抜きをすることがどれだけ困難かは想像できますよね。


●塾が夏前の面談で現実的な話をしない理由

簡単です。やめてもらいたくないからです。

現実的な話をすると成績下位の生徒や第一志望に届かない生徒の保護者は中学受験を取り止めてしまいます。また、学力上位層、中堅層でいまいち成績が伸び悩んでいる子は夏に他塾に転塾するかもしれません。(転塾のラストチャンスは小6の夏期講習前)

という事で現実ではなく夢を見せるトークをして自体を先伸ばしにしたがる傾向があります。

また、多くの塾では小6の夏には夏期講習以外のオプション講座が販売されます。合宿とか特訓みたいなものですね。

現実を見せてしまうと「売れなくなります」


塾のトークに翻弄されずに地に足をつけた志望校選定をしてください。塾のトークを信じたばっかりに我が子に無茶を強いてしまい子供を潰さないでほしいと祈るばかりです。


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