「よくやったな。シンジ。」
2022年度 教室最下位クラスの進撃

塾講師として熟成されてくると中学受験において、最上位クラスではなく、最下位クラスを担当することが多くなります。最上位クラスは正直、入試研究さえしっかりしていれば、後の能力は並みの講師でも務まります。子供の能力が高く、家庭の意識も本人のモチベーションも高い子ばかりだからです。ところが最下位クラスはその真逆です。子供の学力は低めで保護者は中学受験を甘く考えていて塾に任せっぱなし、子供は親に言われて不承不承な状態で受験に取り組んでいるという状態です。
こういったクラスを上手く運営するには、伝達力、生徒を焚き付ける力、有無を言わせぬ強制力、細かな表情や様子の変化に気づく観察力、段階に応じて実力よりほんのちょっとだけ上の問題を扱う問題選定力など様々な能力が要求されます。上手く運営できないと退会者が続出するクラスでもあります。
試験による選抜をしている性質上、どうしても生徒数が多くなるため売上に直結するクラスなので熟成講師を当てたいのが校舎の責任者の本音です。とは言っても配下の講師を選ぶことが校舎の責任者にはできないので、与えられた人材の質と数によって「最下位クラスを切る(退会者が続出しても構わない)」配置をやむなくする場合もあります。
お子さんが最下位クラスに在籍している保護者の方のために自分の通っている校舎が「最下位クラスを手厚く考えている校舎」か「最下位クラスを切る判断をしている校舎」か見分けるポイントを記載しておきます。
①最下位クラスの主担当(保護者との窓口)が若い(どうみても20代)
②塾の教材のみを使っていて、特別プリントなどは全く使わない。
③子供が問題の解き方をほとんど理解していない。(算数)
④宿題がほとんど出ない(一般に4科目合計で週に5時間を切るような分量) 
⑤面談やら電話での応対になにかと直接担当していない部門責任者や校舎責任者が出てくる。
⑥一つ上のクラスの生徒数が最下位クラスより多い。
⑦一つ上のクラスの算国担当を校舎の重要なポジションを担当している(責任者、主幹など)講師が固めている
この7つのポイントのうち、3つ以上該当していたら、その最下位クラスは校舎として切っている可能性が高いです。
塾として、校舎(店舗)として与えられた人員で最大限の売上と合格実績を出さなければならないのがミッションですから、ここを批判しても何も変わりません。保護者としては、自分の子のクラスが切られている可能性が高いなら、さっさと転塾、または転校をするだけのことです。(同じ塾でも校舎の人員によって最下位クラスを手厚くしている校舎もあるので転校はアリです。)
さて、話題がそれましたが、今回のテーマは金星合格についてです。今年任せてもらった我が最下位クラス14名は11月の合不合の4科平均偏差が38、12月の平均偏差が38という状況でした。分布的にはだいたい37~40近辺に横並び。 今年の勤務先は千葉県内の某塾、某店舗です。
ここから、現時点の発表分で
江戸川取手 5名(難関大)進学決定
専修大松戸 6名進学決定
麗澤 2名進学決定
共立女子 1名進学決定
という結果でした。
種は簡単です。
①受験校は12月、11月の合不合の平均でで50%偏差値より9ポイント以上離れた学校は受けない。(受けても1校だけ)
②12月11月の合不合の平均偏差値から9ポイント上までの学校の中で一番行きたい学校と二番目に行きたい学校を決める
③②の学校の過去問を徹底的にやり込む
④複数回受験をしている学校はすべての受験回数に出願をする。
⑤それぞれの志望校の過去問チェックテストを作成し、このチェックテストが90点未満だともう一度、その年度をやり直す。

過去問チェックテストの作成はメチャクチャしんどいです。今年の保護者の方は理解がある方々だったので我が儘を言わないでいてくれました。夜な夜な一人で四教科分作るので「この学校も」と言われると倒れます。
あるお父さんが私のチェックテストを真似して自作してくれていたようですが、対応できない学校(受験者が少ない)はそのようにしていただくと助かります。