大手学習塾は復習主義のところが多いです。中学受験向け、高校受験向けの学習塾では大手に限らず予習してから授業に臨むスタイルの塾は聞いたことがありません。


しかし、逆に予習「禁止」を打ち出している塾もあまり聞きません。「しなくてよい」という言い方にとどめている塾がほとんどです。

では塾講師として「予習はどうなんですか」と聞かれたらできる子はやればいいと思います。ホントに個人差がある質問なので、一概に良いこととは言えませんが、やりたくてできるのならいいと思います。

ただ、予習というのは習ってないことを一人で勉強するということなので負担が大きくなります。子供によって予習に膨大な時間がかかり復習ができないのならやらせるべきではないと思います。あくまでも 復習>予習の関係は崩すべきではありません。

また、社会や理科は予習すると肝心の授業がつまらなく感じる子はいるようです。そりゃ他の子が「未知のとの遭遇」で「おお、そうだったのか~」となっている時に自分は既に知っているわけですから、「それ、知ってるし」となるわけです。予習のお陰で知っていることを「自分は能力が高いから知っている」と勘違いする子も結構な割合で見かけます。いわゆる勉強好きのバカ(塾講師は大抵その成れの果てです)が誕生してしまいます。

算数の予習については個人的には大賛成なんです。実は。復習のウエイトをさげてでもやるべき派です

大手のカリキュラムはどこも早いので一回の導入では理解ができない上に、ほとんどの場合、導入授業回で応用問題まで扱うことになるので、かなり優秀な子でないと???の状態で家に帰ってきます。家で宿題をしようとしても原理原則が理解できてないので満足に復習もできないという状態に陥るので非効率なんです。導入授業の前に予習で基本原理だけを習得した状態で導入授業に臨むのはかなり効果があると思いますが。ただご家庭で上手に基本原理を導入する必要があるのでできる家とできない家があるため塾側は推奨できないんです。
国語は算数とは真逆です。予習する暇があるなら復習をしてもらいたいです。
国語は予習すると答えを覚えている状態で授業を受けることになります。答えがわかっていると子供は説明を聞かなくなるのが一般的なリアクションです。「いやいや、私が解答するために考えた筋道と異なる筋道が解説されかもしれない。気を抜かずに解説を聞かなければ」なんて思える子は皆無です。
昔、あまりにもすらすら選択問題を解答する生徒がいたので、どうして他の選択肢は違うのか訊ねてみたところ、「ママが言ってたから」と答えた小5がいました。これは時間の無駄なのは言うまでもないですよね。
また、予習をしているだろう家庭の子で目立ちたがり屋の子は自分が知っていることをアピールしたがり、勝手に答えを叫んだり、先生の説明を先回りしようとする子がいます。これはやらないのが予習をする大前提です。
塾の授業が予習を前提にしてない以上、予習をしてない子のペースに合わせるのが当然です。この辺りのマナーを子供に家庭が守らせるのが予習をする必要最低限の条件です。
ご家庭のなかにはお客様意識全開で「うちが使ってやってる道具の1つごときがうちのやり方に口を出すな」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、アプリにも推奨環境があるじゃないですか?、あれと同じです。メーカーの推奨条件を無視して正常に動作しないのはカスタマーの責任ですよね。