塾業界あるあるなんですが塾講師として働いていて「上司が尊敬できない」という思いにかられたことは業界で働いている人なら一度は感じたことがあるのではないかと思います。
一方で、保護者の方の一部には教室長に担当されたい、担当してもらえたら嬉しいという方もいるようです。
今回はこの教室長、というか塾の店長さんについてお話ししたいと思います。
教室長、校長、校舎長、などなど呼び方は様々ですが、要するにお子さんの通う塾の店長さんのことです。
結論をいうと「講師として優秀だから」店舗責任者になるわけではありません。授業が下手くそな校舎長はたくさんいます。
以前 、「塾講師という仕事 」の記事で、授業が下手でも生き残る方法が1つあると記述しましたが、「講師としての成功を諦め管理職に変わる」というのが生き残る方法です。
もちろん、塾講師としての技量を認められて店長さんになる人もいます。それは否定しません。ただ、管理職になると責任が増えます。
それを嫌う講師も一定数います。私も管理職への打診を受けましたが三回断りました。
多くの塾では管理職になると平日の残業代が0になります。また、業績連動が大きくなるので、すでに講師として活躍している人間が管理職になると年収が20%前後目減りします。ですので管理職になる方が損をする人が一定数いるため、なりたがる人が少ないのです。
また、管理職の評価はほとんどの場合、塾生数でしかしてもらえません。そして部下を選ぶことはできないので、塾生数に興味のない部下や講師としての能力が極端に低い部下を持つことになると収入が講師として活躍している時に比べて半分以下になってしまうこともあり得ます。ですので店長の打診を受けても断る人が結構多いのです。
しかし、拠点を運営していく上で責任者は必要なので、誰かは店長をやらなければならないのです。すると講師としては二軍、三軍の正社員に白羽の矢がたつわけです。
ここで講師として活躍している部下から店長をみると「こいつ店長の癖に授業下手だな」という印象になる上に、店長さんの収入は塾生の数と連動しているので数字のことばかり言うようになると、講師陣と店長が対立するようになるわけです。
また、講師職の人たちは腕に自信があるほど「会社が気に入らなければ辞める」というスタンスです。この業界はどこの塾も万年人手不足なので、ある程度の腕がある講師はどこの塾でも欲しいところなので。意外と知られていないのですが、腕のある講師同士は塾が違えど繋がっていることもあります。そのつながりで引き抜きをするというのは良くある話です。出戻りなんかも普通にあります。
店長になっても部下が言うことを聞かないというのはなる前からわかっているので、すでに講師として活躍している人は店長になりたがらないというわけです。