塾講師はどこの塾で働くかさえこだわらなければ、誰でもなれる職業です。別に格段に難しい試験があるわけでもなし、資格が必要なわけでもなし、なるために大学でたくさん学科を履修する必要もありません。誰でもなれます。
ですが学習塾業界は万年人手不足と言われている業界です。誰でもなれる仕事なのに何で人手不足なのかというお話をしたいと思います。
塾講師の主な業務は授業です。もちろん授業だけしていても生徒の成績は上がりませんが授業が根幹であることは確かです。
残念ながら授業が下手くそな人が一定数いるわけです。これは頭の良し悪しというよりは伝える力が弱いという話です。悪気はないけど話が下手くそな人というのがいるじゃないですか。その授業版です。話はうまいけど授業が下手という人も授業の伝え方はうまいけど話は下手という人もいます。もはや個性の領域だと思いますが、仕事なので下手ではすまされません。こういう人は授業の度にクレームが起きるのでそのうち授業に入れられなくなります。数年後には業界から去るでしょう。
授業が下手でもひとつだけ生き残る方法があるのですが、それはまたの機会に。
自己研鑽をしない人も数年後には業界を去ることになります。塾講師は過去問に精通している必要があります。特に受験学年を持つ場合はある程度の研究は必須です。そしてこれは完全に業務時間外でやることになります。
板前さんが他店の料理を食べに行ったり、モデルがプロポーション維持のために毎日ジムに行くようなものです。
「プライベートでは仕事をしない主義だ。」のタイプの人は過去問研究をしません。結果的に生徒が合格しません。一年目二年目ぐらいは注意や叱責などで済みますが、そのうち授業をまかせられなくなります。私は正規職員講師になった一年目、二年目の平均睡眠時間は三時間でした。正直、毎日辞めようかと思っていました。
根本的に子供が好きではない人も続かないです。私が一年目、二年目のときに辞めないですんだのはちっちゃなファン達が支えてくれたからです。「先生、できるようになったよ~」とか質問に来たときに他の職員が対応しようとすると「◯◯先生がいい~」と言ってくれた生徒がいたからだと思います。
塾講師なんてちょっと勉強教えるだけだろと思われがちですが、その程度の覚悟だと長続きはしません。故に離職率が高いのです。
また、かなりハードな仕事だと思いますが年収が低めなんです。だいたい
下位30%未満 年収300以下
下位30%~50%未満 年収300万台
ミドル層 年収400万前後
アッパーミドル層 年収500万前後
上位20%層 年収600万前後
上位10%層 年収700万台
といった感じですかね。管理職を経て経営幹部になれば2500万~800万ぐらいはもらえると思いますが、会社の規模にもよります。
正直、年収300万の仕事を何年も続けられますか?この業界は年齢による昇給はほとんどないです。40代で年収300万は当たり前です。私は幸い上位10%の層に早い段階で食い込めたので長続きしたのだと思いますが、塾業界に入ったものの食えないでやめていく人は今までたくさん見てきました。年収500万位貰えれば教えることが好きな人なら、好きなことしてそこそこの生活を送れる天国のような仕事なんですが、そこに到達できる人は30%位です。
この業界で生き残っている講師のほとんどは少なくともミドル層に入っている人たちです。後の人は数年でこの業界を去ります。
ただ、年収が低くても構わないのなら居続けることができる業界でもあります。人手不足なので。そういう人達が全体の20%位は存在します。この手の人達が塾講師の評判を落としている連中ですが、何せ人手不足なのでこういう人たちも使わないと回らないのが辛いところなのですが。
