歯④

子供達には迷いを持ったままピッチに入るなと教えてる。

まさにその言葉が私自身に重くのしかかる…

しかし…

偉くなくてもいい、ただ子供達にとって誇れる人間になりたい！

私は迷いを振り切りアクセルを踏んだ。

トゥクトゥクトゥクトゥク…♬

ジャンジャンジャジャッジャーンジャ…♬

この物語は、ある歯医者に戦いを挑んだ熱血コーチの記録である。
歯医者界においてまったく迷惑なチキンコーチが荒廃の中から健全な精神を培いわずか数日で完全完治をなし遂げた奇跡を通じて、その原動力となった信頼と愛を余すところなくドラマ化したものである。

愛は奇跡を…♬

第5話「最後の闘魂」

＊以外チョンコーチの妄想

前日の夜…

「先生、明日のチョンコーチの治療は私に任せて下さい」

「ルーキー」

「バロンの代表がどんなものかお手並み拝見といこうじゃありませんか」

「ルーキー、それならこれを持って行け」

「先生、これは最新のドリルじゃありませんか！？」

「ああ、これでチョンコーチの心をへし折ってやれ！」

…

おそらくこれは私だけの闘いじゃない、◯◯歯科 vs バロンの全面戦争なんだ。

処刑台に座った私の横にはドリルがその牙を光らせてる。

心折れそうになったその時、この闘いを重大な局面へと運ぶ人物が現れた。

「チョンさん、こんにちは」

「…！！！ あなたは！？」

つづく