去年、俳優座劇場で行われた舞台が場所を吉祥寺にある前進座劇場に変えて再演されました。
初演時に時間が足りなくてカットされた部分を追加したとのことだったので、期待して見に行ったわけですが…
初演時をさらにスケールアップした内容で大満足の舞台でした。
(公演は昨日終わってますのでネタバレ満載で行きます)
初演時との大きな違いは以下のとおり
(◎部分は一幕冒頭、★部分は二幕冒頭、☆部分は本編中)
◎弥之助誕生
◎らんが赤谷にいる理由
◎十数年後の正太郎とお綾
(荷車を引いていたのは徳兵衛とその息子さんなのかな?)
◎石影、月影兄妹が葛城の大殿様の侍大将になった理由
★占いオババ誕生の理由
★イタチが赤谷にいる理由
★影軍団が石影、月影の下についた理由
☆月影と影軍団(三影=彦左)の恋愛?模様
☆正太郎の(前作でも見えてはいたが読み取るしかなかった)想い
☆弥之助の正太郎に対する感情
このあたりが肉付けされたことによって、初演時を見たときに感じたもやっとした部分が
「はい、スッキリ!」(byナズナ)としたわけです。
ここから先は個別の出演者に関して(一部ですいません)。
らん(矢島舞美)
→初演時と比較して、舞台上の動きや正太郎に裏切られた(と村長から聞かされる)シーンでの複雑な表情など、一年たって進化したなーという部分が明らかにわかりました。
最後の大立ち回りでそれまで結んでた髪をほどき、次から次へと斬っていくシーンはバーサーカーか、それとも阿修羅か…という位鬼気迫る演技で引きこまれてしまいました。
イタチの刀で弥之助を斬った後、敵はとったよという表情でイタチの刀を見るシーンで涙腺が…
(もっとも、イタチが月影に斬られたとこ以降はほぼなきっぱなしでしたけど)
正太郎(中村誠治郎)
→前回の村井さんとは一味違い、正太郎の持つ大人の部分を見させていただきました。
(村井さんは童顔なのもあってか、やんちゃ坊主って印象だったんですよね)
冒頭で狂人となった状態で「らん…」とボソッとつぶやいた後叫ぶシーンや、らんを斬った後の表情といいうずくまってしまうシーンといい、感情移入させられることが多かったです。
イタチ(根本正勝)
→らんに対する一途な想いが最後に実を結んでよかったね、イタチ。
最後の「ああ…らんが無事ならそれでいいや」と言うシーンで涙腺が決壊しました。
根本さんの立ち姿、すごくきれいで男ながら惚れ惚れしてしまいました。
※中村さんと根本さんはユニット組んでいるだけあって、二人の掛け合いは間が抜群!
阿吽の呼吸ってこのことなんだなーと思わされました。
お綾(工藤里沙)
→ぶっちゃけ、矢島さんのファンではありますが「彼女がらんをやったらどう演じるかなぁ」と思います。
きっと、矢島さんの身体能力(実際、彼女の運動神経は半端ないです)を活かした「らん」とは違い、しなやかでより女性らしい(でも勝気な)「らん」が見られるのかな?
葛城のお殿様(藤沢大悟)
→初演時とは違った金髪姿+緑と赤のエクステ姿にぶっ飛びましたw
正直に言います、お殿マン、好きです。
月影(杉本有美)
→彼女が出演した舞台「落下ガール」も見させていただいたのですが、まったく違う役どころ(しかも殺陣まである)をうまく演じていたと思います。
最後に三影を止める姿は、影軍団の副将というよりは一人の女性だったんですよね。。。(そうに違いないw)
弥之助(丸尾丸一郎)
→この人を最後にするのには少し理由があります。
ぶっちゃけ、前作のイメージが強すぎて、初日見たときは若干違和感を感じたのです。
(弥之助にはひ弱なお坊ちゃんというイメージをもっていたもので。。。)
ただ、何公演かみていくにつれて、丸尾さん=弥之助というイメージがどんどん膨らんでいきました。
それだけ、鬼気迫る演技を見させてもらいました。
全員は当然書くことができませんが、石影役の横山さんをはじめとして他の出演者の皆様はもちろん、スタッフ、そして作・演出の秦さんに、このような素晴らしい舞台を見せていただきありがとうございました、と言いたいです。